いい絵はまずしっかり見ることだ―坂口美津雄さんに制作の心を聞く―

 坂口さんは岩内出身で主に後志管内の小学校教員として各地を歴任、岩内東小学校長を最後に平成11年退職された。絵に造詣深く公募展に数多く入選入賞の実績がおありだ。
 この数年木田美術館のふるさとこども展審査委員長を引き受けられ子供たちの絵に温かく時にはきびしい目を注ぎこの後志随一の展覧会発展のため尽力されている。

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 私は子供の頃から絵が好きだった。何と言っても7歳上の兄の影響が大きかった。私が小学生の頃、兄は大きなキャンバスに油絵の具を使って描いていたが、あの油の独特の匂いには参った。ペイントに火をつけ焼け爛れた色を巧みに表現に生かすこともあった。

 私は今では普通は小品を描く程度だが、精力的に創作活動をし、公募展に出品した時期があった。それは三人の子供たちの成長に強く刺激されたからだと言える。どの子も勉強や部活に目標を持ち努力している姿を見て、心中何か衝き動かされるものがあり強い制作意欲に結びついたのだろう。
教職員美術展に出品したところ一年目に奨励賞、二年目に特選、三年目に奨励賞と連続入賞し以後は招待会員となった。80~100号サイズを5点ほど出品することもあった。表現は具象で題材はにしん漁で使う網、モッコ、タモ、ダンブなどの漁具類で町の郷土館に通いスケッチを繰り返した。

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全道展も初出品初入選、以後連続8年入選。こうなると題材は同じ漁具なので同じ描き方に飽き足らなくなりモチーフを具象から抽象へ変えてみようと思った。だがそう簡単にはいくものではない。この切り替えには相応の準備期間が必要で具象と抽象の作品を平行して手がけ徐々に変えていった。制作時間の確保も大変だった。学校の仕事は学校で終わらせ帰宅後に制作に取り組む。毎夜気づくと2時、3時という日が多かった。管理職になってからは校務多忙、次第に心のゆとりがなくなったのか集中しての制作時間確保ができなくなった。色も作れなくなった。そして一旦休むと描こうと思っても描けなくなってしまう。こんなことも抽象に移る一つのきっかけになったかもしれない。

 絵を描くとき最も大事なことは構図だ。一点一点スケッチしてからそれらをどう配置すれば全体として効果的なのかを時間かけて考える。次は主張色(中心になる色)と色の響き合いどうするか決めることだ。

 現在の小学校では図工の時数が少なくじっくり描くことができず残念だ。こども展で入賞入選する絵はよく対象を見ているし色作りも優れている。いつも言うことだが、画面全体を使って何を描きたいのか、そしてみんなと同じ絵でなくその子だけの絵。この二つが大事だ。こども展は今や二千点近い出品数となり管内の小中学生の一つの大きな目標となっている。審査、展示等大変な作業だがいっそうの発展を願っている。

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昨年度の「ふるさとこども美術展」審査の様子

 木田については直接の関わりはないが、その姿は街の子供たちには一風変わったおじさんに映った。大火前私が小中学生の頃、当時の協会病院前や港でイーゼルを立て愛用のハンチングに首巻をし、寒いのか鼻水をすすりながら風景を描き続けている姿を何回か見たことがある。

 木田美術館については、木田の作品だけでなく木田と交際があった画家、建築家、作家、科学者たちの作品を集めた企画展を組み込む形で広がりと厚さがあり見応えがある。是非この木田の交流圏展を継続してほしい。

(O・Y)
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