若洲一滴文庫を訪ねて 最終回

 今回の美術館に係る用件で関西に足を運んだ私達が最後に訪れたのは岡崎公園にある京都市美術館である。
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今夏6月25日より10月16日まで「フェルメールからのラブレター展」、9月13日から11月27日まで「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」が開催されていた。二つの人気展覧会を見る幸運に恵まれた。
フェルメール
フェルメール展は日本初公開の“手紙を読む青衣の女”(アムステルダム国立美術館)、“手紙を書く女”(ワシントンナショナルギャラリー)、“手紙を書く女と召使い”(アイルランドナショナルギャラリー)など43作品が展示されていた。コミュニケーションをテーマに肖像画や風俗画を通じて17世紀オランダの世相が紹介され、識字率の向上で文字による個人間の文通、出版による社会的情報伝達などコミュニケーションに係る作品が展示の中心であった。ホーホ、ステーンなどオランダ絵画黄金期の作品も並んでいた。画面左から差し込む独特の光の質感で描かれたフェルメールの作品が印象深かった。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展は印象派、後期印象派の作品83点が来日し、日本人にもなじみ深い作家の作品が多く、親しみを感じながら鑑賞した。
ゴッホ
ゴッホの自画像、ルノワールのモネ夫人とその息子、セザンヌの赤いチョッキの少年、カサットの青いひじ掛け椅子の少女、スーラーのオンフルールの灯台等日本で初公開の作品も多かった。印象派登場の先駆である。パルビゾン派や写実主義を唱えたクールベの作品も興味深かった。素描や水彩、パステル、版画の27作品はゴーギャン、ロートレック、ドガ、ピサロ、シスレーの名があった。美術ファンなら多くの人々が知っている名品を所蔵するワシントン・ナショナルギャラリーは実業家のアンドリュー・メロンがコレクションを寄贈し、1941年にアメリカの首都ワシントンDCに創設された。その後所蔵品や収集資金などは総て一般の人々の寄贈で運営されている。国民・市民が作り上げた美術館と云える。「みんなで創る美術館」を掲げる木田美術館のあり方にも大いに重なる所があった。

京都市美術館で二つの展覧会を見た後、中京区三条高倉の京都文化博物館に向かった。米国ギッター・イエレン財団所蔵の日本美術作品107点が並んだ「帰ってきた江戸絵画」展を鑑賞した。
江戸
俵屋宗達、伊藤若冲、与謝蕪村、池大雅、酒井抱一、谷文晁などの作品が「アメリカ人コレクターの見た日本美術の魅力」という視点で展示されていた。今回の旅の終末は、滅多に無い機会とはいえ大きな展覧会を三個所も廻り、全員ダウン寸前となった。千歳に向かう機内では疲れ果てた一行が言葉も無くひと眠りという仕儀となりました。
(M・T)
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