木田金次郎の本棚(19)  『美術北海道』1965年1号

木田金次郎の本棚
美術北海道1965-1
『美術北海道』1965年1号

かつて北海道には、こんなに肉厚な美術雑誌がありました。
『美術北海道』。この号は本文133ページ。

もともと1961年12月に「なかがわ・つかさ」という人物が創刊し、
仲間とともに発行していた雑誌ですが、
1963年8月のなかがわの急逝により、
同人が引き続き発行していった雑誌です。

実は、なかがわ・つかさは、木田金次郎と深い関わりがある人物。
そのことは後日お伝えすることとして、
この号には、興味深い記事が掲載されています。

コレクター訪問 島本融1
「コレクター訪問1 島本融さん〈北海道銀行頭取〉」

美術コレクターを紹介する企画記事の第一回。
そこに北海道銀行頭取の島本融が登場しています。
取材は画家でもある小谷博貞。この雑誌の編集同人でもあります。

コレクター訪問 島本融2
掲載されている作品図版は、
この夏当館で開催された「島本融の眼:北海道銀行コレクション」に展示されたものも。



この記事には、島本と関わりが深い、
建築家の田上義也がゲストとして参加。
田上は、取材当時、
新築落成されたばかりの、道銀本店ビルの設計に携わり、
このビルに建築事務所を構えていました。

島本へのインタビューでは、やはり木田金次郎のことが話題に。
島本と木田との出会いや、島本自身の美術遍歴、
また、道銀コレクションの概要にも触れられています。

当時、木田が亡くなって2年。
木田の三回忌にも参列したという島本。木田への深い愛情を感じます。

この小さな雑誌にも、「木田金次郎の交流圏」が凝縮されています。
ほかにも読み応えのある記事多数。

北海道に美術館がない時代に、
これだけ熱い論説の場があったことを、
今の美術館人はもっと意識しなければいけないのかも。

(学芸員 岡部 卓)

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 『美術北海道』1965年1号 
 北海道美術ペンクラブ編集 プロダクション・コーガ発行
 1965年1月発行
 
 この本は、当館展示室4で開催する「木田金次郎の本棚」
 [会期:12月19日(土)~2010年1月17日(日)]でご紹介する予定です。


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