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木田金次郎の本棚(18) 『北海道』

木田金次郎の本棚
木田・中谷『北海道』
中谷宇吉郎・木田金次郎『北海道』

これは木田金次郎が関わった、ちょっと異色の、だけどとてもすてきな本。

画家・木田金次郎と、科学者・中谷宇吉郎(なかや・うきちろう)との共著です。

中谷宇吉郎(1900~1962)は、北大理学部教授。
雪の研究者として広く知られています。
同時に、「雪は天から送られた手紙である」という名文をはじめ、
優れた随筆家としても知られている人物です。

1930(昭和5)年に、新設された北大理学部教授に就任。
低温科学研究所を立ち上げるなど、雪の研究の第一人者として活躍しました。

本書は、前半が木田金次郎の絵と文。後半が中谷宇吉郎の文。
実は、どのような経緯で二人が本書を出版することになったのか、
私もよくわからないのです。

中谷は戦時中の1943(昭和18)年、
ニセコアンヌプリの山頂で、零戦の着氷実験を行っており、
有島農場や後志との縁もこのあたりから生まれたようですが。
(この時の零戦の機体の一部は、倶知安風土館に展示されています)

前半の木田が執筆している部分は、
デッサンを中心に北海道各地の情景をエッセイにしたためたもの。
箱や見返し、装丁も木田が担当しています。

後半の中谷の文章は、
科学者として、また随筆家としての中谷の魅力を、
十分に感じることができます。

ともに1962(昭和37)年に急逝した二人が、
晩年に遺した興味ある一冊です。

(学芸員 岡部 卓)

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 『北海道』 
 中谷宇吉郎・木田金次郎著 中外書房
 1960年7月発行
 
 この本は、当館展示室4で開催する「木田金次郎の本棚」
 [会期:12月19日(土)~2010年1月17日(日)]でご紹介する予定です。


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