木田金次郎の本棚(12) 『カラー版 日本美術史』

木田金次郎の本棚
nihon-bijutsushi
辻惟雄監修『カラー版 日本美術史』

北海道美術史の本に続いてご紹介するのは、
日本美術史を概説したこの本。

オールカラー本文184ページの本書は、
縄文時代から現代美術までを扱った、
日本美術を通覧するテキストとして、
大学の美術史の講義などでも使われているようです。

この中に、木田金次郎の記述と作品が!

これもひとつの「事件」といえましょう。

登場するのは第10章「現代」。第2節の「前衛の時代」の中で、
日本画の横山操に続いて、木田金次郎の名が登場するのです。

この章の筆者は、当時成城大学教授の田中日佐夫氏。
田中氏は、1979年に札幌・北海道立近代美術館で、
偶然「木田金次郎展」を眼にし、木田の作品に強く惹かれたといいます。
そして、日本美術史の中で、
「中央に偏向する美術界において、その批判的存在としても無視すべきではない」
と木田を取り上げているのです。

同時に中央から遠く離れた北海道で活動する作家として、
神田日勝と砂沢ビッキの名を挙げています。

7月に行った「美術館講座2009」の第2回「木田金次郎と日本美術史」では、
この本に木田が掲載されていることから、話をすすめました。

ほんの数行の記述ではありますが、
中央からのみ記述される美術史を批判的にとらえる試みとして、
本書は重要な役割を果たしているといえましょう。

日本美術史・木田金次郎図版
木田金次郎「茶津の断崖」1954年(北海道立近代美術館蔵)の図版が掲載されています。

(学芸員 岡部 卓)


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 『カラー版 日本美術史』 
 辻惟雄監修 「近代・現代」:田中日佐夫執筆 美術出版社
 1991年10月発行
 
 この本は、当館展示室4で開催する「木田金次郎の本棚」
 [会期:12月19日(土)~2010年1月17日(日)]でご紹介する予定です。


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