木田金次郎の本棚(5)『生れ出る悩み』叢文閣版

木田金次郎の本棚(5)
soubunkaku
『生れ出る悩み』叢文閣版

これが、かの『生れ出づる悩み』の原書。
1918(大正7)年刊行。
「有島武郎著作集」の第6輯(集)として出版されました。

この当時、有島武郎は次々と作品を生み出し、多くの読者を獲得していた時期。
実はこの「著作集」、これ以前は新潮社から出版されていました。
この巻から、叢文閣(そうぶんかく)という出版社から発行されたのです。

叢文閣は、有島の札幌農学校時代の友人、
足助素一(あすけ・そいち)が興した出版社。
足助はのちに木田とも関わりを持つ、
橋浦泰雄(日本画家・民俗学者)とも親交がありました。

この小説は新聞連載からはじまりましたが、
この本を出発点に、今日まで長く読み継がれているのです。


ところで、
先日刊行された集英社文庫版のほかに、
当館で販売しているのが、これ。

iwanami
『生れ出ずる悩み』岩波文庫版

そして、残念ながら品切れ絶版となってしまったものに、

kadokawa&shincho
『生まれ出づる悩み』角川文庫版(左)
『生れ出づる悩み』新潮文庫版(右)


お気づきでしょうか。

『生れ出る悩み』叢文閣版
『生れ出ずる悩み』岩波文庫版
『生まれ出づる悩み』角川文庫版
『生れ出づる悩み』新潮文庫版
『生れ出づる悩み』集英社文庫版


タイトルの表記がみんな違うんです…。

これ「仮名遣い」と「送り仮名」のとらえ方の違いなのでしょうね。
当館では、「生れ出づる悩み」の表記を用いています。

奥深い、「生(うま)れ出(いづ)る悩み」(原題)の世界です。

(学芸員 岡部 卓)

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 『生れ出る悩み』
 有島武郎 叢文閣 
 1918年9月発行

 この本は当館資料展示コーナーに展示しています

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いよいよ間近、「木田金次郎生誕祭」。
(木田金次郎の誕生日は7月16日です。生誕116年)


7月17日(金) 18:00~
 ミュージアムコンサート 西村由紀江さん(ピアノ)
7月18日(土) 14:00~
 記念講演会 池内 紀さん「木田金次郎との出会い」


おたのしみに!
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