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没後40年 熊谷守一「生きるよろこび」 於東京国立近代美術館

3月初めの日曜日、皇居のお堀端はたくさんのランナーが行き過ぎ、梅や桜も色づいて春の装いでした。
一度も熊谷守一作品を目にしたことがないので、初めて竹橋そばの東京国立近代美術館で開催されている回顧展に出かけました。

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初期の作品「轢死」 茶や黒の暗い色合いのなかに女の横たわる姿が描かれている、という説明を読んでも判別できません。
グラデーションが解っても、人体のラインが見つけられず・・・ 既知の明るくシンプルな線で描かれた、後半生の作品との違いに驚かされました。

200点以上の作品を鑑賞して、熊谷の70年以上にわたる制作活動での変遷を目の当たりにしました。
猫を描いた数作品は、彼が猫好きであったことがよくわかるユーモアと愛しさが感じられました。私には「伸餅」という、伸し餅三枚となっきり包丁を描いた作品が印象的でした。

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97年の生涯で我が子を次々病死で失い、生活苦も通り越し、やがてきれいな色あわせで、明快に小さきものを描く手法でたくさんの人に愛される作品を生み出してきました。
「いつまでも生きていたい」自宅の鬱蒼とした庭で自然観察を楽しみながら、1977年没しました。
順風満帆ではないけれど、絵描きとして生きるよろこびを幾度も感じた人生であったろうと、スケッチや日記などにも触れて思いました。(S.K)
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