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生き生きとした若さがあふれているね

「平成の『生れ出づる悩み』展2016」を、展示室で見た。

酒森夏海「空のキャンバス1」 子どもを肩車している大人ともう一人の子どもが近景の樹木とともに黒いシルエットになっている。背景は鰯雲と夕日で、実に様々な暖色に寒色がちりばめられていて、圧倒的な色彩の氾濫に見ている側はたじたじとなる。虫食いのプレーンな額の取り合わせも面白い効果をあげている。
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坂泰奈「グラフィックカレンダー7月、12月」 西瓜と木の年輪が背景の淡いストライプに映えている。色遣いが優しい。
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Ochiro「White Princcess」 アクリル絵の具で白っぽい背景に耽美的な女性の横顔が描かれている。その眼は横顔なのに正面の目で、まるでエジプト絵画を思わせる不思議さがある。写実という枠を早々と取っ払ったとても自由な作風で、モデルをやりながら、絵画のパフォーマンスをやったりとマルチ的な存在がこれからどう変遷してゆくのか目が離せない人だ。
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髙間鈴音「Singer」 題のとうり、音の波が直接こちら側にまで伝わってくるようだ。犬を擬人化していて、それが暗い酒場の雰囲気と実に巧みに絡んでいる。こんな絵が居間にあったら面白いだろう。音を感じさせる絵は難しいが、その難問を軽々と乗り越えているのは、若さのなせる技だろうか。
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池田さやか「hands up」 日本画で凹凸のあるバックと服の表現が白い肌と対照的だ。女性のまなざしがどこか哀感を感じさせるのは、私だけの感覚だろうか。声高に表現しているのではないが、後々まで心に残るまなざしは、画家の心のひだの複雑さからくるものだろうか。
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参加人数が少なくて残念だが、こうやってこの美術館で展示できることを最大限生かして、新人の登竜門としてもっとすそ野を広げていけたらいいなと思う。(S,S)
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