目からうろこの岩内美術協会秋季展

入って正面に、濃いブルーグレーを背景にしたヒトデとクラゲのような絵がまず目に飛び込んで来る。
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描いたのは宇野嘉祐。写実的描写力は抜群で、キャンバスの代わりに合板を厚く張り合わせたものを使っている。角を落として丸いカーブを出していたりして実に風変りだ。

そしてその左側には水彩の「シーラカンス」山川由紀子作。ピンクの隈取のような所はマスキングを使ったとか。少し厚く盛り上がったところがおもしろい素材感を出している。

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その左は暗いプッシャンブルーの背景に「DAHLIA」でダリアの花言葉が裏切りで、花と女性のポートレイトは裏切りの意味合いを持って描かれている。「罰」は血を流している目を大きく入れて、小人のような少女が顔の上で踊っている。林真広の表現は心象風景であり、人間の潜在意識を表している。
この3人が新人であり、岩内美術協会に新風を吹き込んでいる。

特筆すべきは南田宰子のしずくシリーズ。今回初めて春夏秋冬が揃った。華麗な着物姿の女性像3枚がともすれば表面的な美しさに傾倒してしまうなかにあって、「秋」のしずくは巫女を思わせる横顔に鮭が3匹泳いでいるさまは、北海道の大地の歴史を感じさせ、今までの表現から2歩も3歩も踏み出している。この作者の変遷ぶりに感嘆する。アジサイの小品3作も味がある。
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早瀬文子の抽象画は今までの絵よりぐんと深みが増して、色合いと形に洗練された感覚を感じる。漆を思わせる深いワインカラーの画面は、オフホワイトの真ん中の牡蠣殻の凹凸と響きあい、不思議な唄を奏でている。また春に出した「季節の歌」の緑と黄色の絵は灰色のモノトーンの色あいが加わり、ぐんと精緻になっている。
自分の絵に対して中途半端なところで決して満足しない粘り強さを感じて嬉しくなってしまう。(S.S)

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