さすがにリアル、山岸正巳肖像画

第4展示室で、山岸正巳肖像画展が開かれていた。彼は歴代の北海道知事の肖像を描いているそうで、絵は見ていたが山岸の作品とは全く知らなかった。今まで山岸作品というと、同じような魚や果物の静物画が頭に浮かび決していい印象ではなかった。けれども今回の肖像画はそんな私の概念を見事に打ち砕くものだった。

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これらの肖像画は、その人の社会的な地位や職業、そして性格までをしっかりと表していた。人間性の生の部分までも、山岸は端的に表現している。当たり前のことだが、モデルの人々は今より若々しく、その時の時間がそこだけ切り取られているようだった。アスパラガスの栽培に功績を遺した下田喜久三博士の顔はにこやかな中に意志の強さを見せている。『わかなのエチュード』は赤ちゃんの表情がとてもいきいきしている。小さな生命の塊が今にも動き出しそうなのだ。

東京芸大でどちらかというと安井曾太郎の門下というよりは、小磯良平の絵の様式に傾倒していた山岸ではあるが、表面的な形だけを追うのではなく内面まで切り込んでゆく気概は、師である安井曾太郎から受け継いでいるように感じられた。久方ぶりに質の高い肖像画を見ることができたことに感謝したい。いい企画だった。(S,S)
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