生誕祭記念講演「木田金次郎と萬鉄五郎がもたらしたもの」を聞いて

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7月16日(土)、木田の生誕祭記念講演会が展示室2で萬鉄五郎記念美術館学芸員平澤 広氏を講師として開催され、約30名の聴衆が熱心に聞き入った。
以下その要旨である。前半は画家について後半は美術館が核となり運営したユニークな町おこしについてだ。

萬鉄五郎は明治26年岩手県東和町土澤で生まれ幼時から画才に恵まれたがやがて上京、東京美術学校で学ぶ。
卒業制作で「裸体美人」を提出し大きな反響を巻き起こす。
斜面の草原に半裸の若い女をよこたわせる大胆な構図に草原の緑、真っ赤な腰巻等に効果的に原色系を使った作品。
萬は黒田清輝たち画壇の主流の教えに飽き足らず一歩進んだ境地を目指したのが画家たちには大きな衝撃を与えた。
あまりにも意表をついたのか不評の声ばかり。
だが間もなく正当に評価され今では我が国の美術史上、記念すべき作品となったのである。
萬はその後フューザン会、円鳥会の結成に関わり気鋭の児島善三郎や林武ら若手を誘い入れ、日本の風土に合う洋画の描き方を究める。水墨画を取り入れたりもした。
これが独立美術協会へと発展する。意欲的に活動したが型破りな作品が多く当時は理解されず長い間世間からは忘れられていたのだが、鎌倉近代美術館が萬の企画展を手がけ、再び世間の注目を浴びることとなりそれが契機となり地元の岩手でも美術館開設の運びとなった。

街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>について
人口減にシャッターが目立つ商店街とさびれゆく地域を目の当たりにして、美術館が中核となり町おこしのため立ち上げたアートプロジェクトで、期間は秋の一か月、会場は土澤全域の店舗、空き地、空き家、倉庫、公園を確保した。
シャッターは上げ開放。そして街じゅうに現代美術を作り展示しようという新鮮、壮大な試みだ。
現代美術普及の願いある。範囲は東西2キロ、南北1キロにわたる。
参加者はプロアマ問わず、参加料なし、ただし制作から撤去まで一切自己責任.、これが参加条件。
原状復帰して解散だから元の街に戻る。
運営には実行委員会が当たりスタッフは美術館の他に商工会他関係団体から成る。
人手不足なのでボランティアも募集したところ応募者多数。
当初地域住民はこのイベントに半信半疑だったが作家が150人ほどボランティアも各地から続々入ってくるのを見て本気で協力しようと大きく変わった。
平成17年度(以下平成略)から26年度まで6回実施、参加アーティストは多い年には200人にもなり展示作品は最多886点、入場者数は右肩上がりで最多25000人にもなった。
予想を上回る好結果だが課題もありまた運営全般に多大な労力を要し負担過重の面もあり現在は休止状態。

街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>のHPは

アート&クラフトフリーマーケットについて
この活動は5月、10月年2回でともに数日間。参加条件等はまちかど美術館と変わりなく20年度から28年度まで毎年実施し参加者250軒、来場者数40000人の大盛況。

これらの事業がもたらしたものは美術館があったからできたということと、関連して美術館はかけがえのない町の資産ということに気づいたことだ。(O.Y)
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