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🎶栗コーダーカルテット&ビューティフルハミングバードコンサート 🎶

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文化センター大ホール、今日はちびっ子たちが主役だ。
小学生から幼児までこの町にこんなに子どもがいたのかと驚くくらい。
そして若いお父さん、お母さん。公演が始まる前から気持ちが明るくなる。

7月30日(土)、町の自主文化事業として企画されたこのコンサート、1:30開場直後からざわめきが耳に付き、公演中大丈夫かなと思ったりしたが2:00開演と同時に話声一つないコンサートモードに一変、さすが岩内の子と感心する。

前半のステージはクワルテットの4名が共通楽器のリコーダーの他に曲によって別な楽器も使い独特なサウンドで奏でる。
オープニングはフランス民謡“静かに静かに”、次がTVで耳にするCM曲“マヨネーズ第2番”、そしてNHK・Eテレ“ピタゴラスイッチ”のテーマだ。
これは躍動感あるリズムを刻み番組に期待感を持たせる曲でピタゴラスが聞いたらさぞ喜ぶだろう。
本番同様30秒ピッタリの演奏。
映画音楽からよく知られた2曲、“ジョーズ”とスター・ウオーズから“帝国のテーマ”。
手のひら大しかない口琴(こうきん)を巧みに使い不気味な音でミステリアスな気分に満場を誘い込んだのが“かんちがい”。あんな楽器見たことない。

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おまけにそれで「岩内町の皆さん こんにちは」と上手に挨拶までサービスさせ予想外のハプニングに割れんばかりの拍手。
後半は女性歌手が登場。伸びやかに広がる声が素晴らしい。
ジブリのアニメから原曲がカントリーロードの“耳をすませば”、サウンドオブミュージックから“エーデルワイス”、ホールの隅々まで心に染み入るような清澄感ある声にうっとり。
童謡2曲、“砂山”と東南アジアで好評の“おさるのかごや”で最後を閉めた。
アンコール曲はアイルランド民謡を演奏盛り上がる手拍子の中で歌い上げ幕となった。
 
メンバーが少人数編成、楽器もリコーダー主体にピアニカ、ウクレレ、アンデス、サックス、クルムホルン等割と小さく、椅子に座っての演奏スタイルが聴衆との壁を取り払ったようだ。
大人も子どもも楽しめるプログラムに司会者のユーモアたっぷりの曲の紹介やトークも気持ちをリラックスさせた。
快い余韻を残すコンサートだった。(O.Y)



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「木田金次郎の〈肖像〉」図録が完成しました!

開催中の特別展示「木田金次郎の〈肖像〉」
遅くなってしまいましたが、図録が完成しました。
ただいまミュージアムショップでお求めいただけます。

「木田金次郎の〈肖像〉」図録

非常に貴重な木田の肖像画。
この図録では、全7点をすべて収録しているほか、
新発見のものを含む、約20点の木田を写した肖像写真も収録しています。

木田が描いた肖像画
貴重な肖像画が一堂に。

また、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主人公のモデルである、大橋鎭子さん(暮しの手帖社創業者)旧蔵作品や、そのゆかりについても特集。資料的価値も十分です。

「とと姉ちゃん」特集ページ
「とと姉ちゃん」の特集ページも。

おかげさまで、当館はこれまで特別展示のたびに一冊ずつ図録を発行し、館の活動記録をとどめています。
うすい冊子ですが、情報量はたっぷり。木田ファンのみなさま、お手元にぜひ。

(学芸員 岡部 卓)

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「木田金次郎の〈肖像〉」図録
B5判、本文20ページ
1,000円(税込) 当館ミュージアムショップで販売中
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鑑賞スケッチノートより

○2016/7/7 青森県 N.K様
感動し気分まで上々です。
またゆっくり来たいです。

○2016/7/7 岩手県 K.T様
筆圧が筆力を表わしていて、画家の気迫が伝わってきます。
厳しい自然、暮らしの中にあって「表現」の意欲も伝わってきます。
有島の作品から、その存在を知った青年時代から訪ねてみたい願望でしたが、その私も77歳、下手な油彩を老後の楽しみに描いていますが力を頂戴しました。
町の文化芸術への姿勢にもエールを送ります。

○2016/7/7 三重県 K.M様
里帰りの時は必ず見させていただきます。
いつ見ても心が穏やかになり感動します。
バラの絵が良かったです。

○2016/7  福岡県 O.K様
一筆一筆に心がこもっていて感動です。
ありがとうございました。

○2016/7/16 岩内町 K.S様
木田金次郎生誕祭記念講演会に参加。平澤氏のご講演興味深く持聴。また木田金次郎の<肖像>の企画展では、三人のお子さんのデッサンに慈父のまなざしを感じました。
さらに、「いろとかたちのシンフォニー」にはびっくりです。
小川原、木田、西村、山岸という後志の画家にピカソまで加わり、文字通り「いろとかたち」の交響曲、あるいは力いっぱいの饗宴です。
企画力に脱帽です。

○2016/7/18 岩見沢市 I.A様
細かい部分をダイナミックに表現されており、魅了されました。
リンゴの絵が多いのはなぜでしょうか…ありがとうございました。

○2016/7/23 埼玉市 K.M様
立体的でダイナミックな感じがいいですね。
きれいな美術館でいい環境の中また訪れたいと思います。

○2016/7/24 匿名
最後の絵の悲しさといい情熱そのもの。生きている。

○2016/7/28 江別市 N.T様
一度訪ねてみたい場所でした。すばらしい美術館ですね。
岩内町の大切な文化財産と確信します。

○2016/7/30 北広島市 K.K様
昨年夏にこの美術館で数々の絵と会い、また機会があれば…との願いが叶いました。
素晴らしい!大好きな絵ばかりです。

職場体験実習を行いました

7月26日~28日の3日間、後志の中学校の教員の方2名が当館で職場体験を行ないました。
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教員という職業柄、とても手際が良く、お客様への対応も丁寧で、色々な仕事に対応してくださりました。
お二人に3日間の感想を書いていただきましたのでご紹介します。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
教員という職業以外の経験を通じて,自己の見聞を広げさせていただくために,木田金次郎美術館での研修の参加させていただきました。
日常の生活では味わうことができない貴重な体験をいくつもさせていただくことができたと考えております。
また,その中で接客を通じた相手への「おもてなし」の心や態度について理解を深めることができたとも考えております。
この経験を,今後の仕事に少しでも反映することができるように日々精進していきたいです。
今回はお忙しい中にもかかわらず,貴重な時間を割いていただきまして本当ありがとうございました。
岩内町立岩内第二中学校  N.T

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社会人になってから教員という仕事にしか就いたことのない私にとって、この木田金次郎美術館で実習させていただいた3日間は今までに体験したことのない大変貴重な経験となりました。
来場されたお客様が作品をご覧になったときの、笑顔や感動している姿が一番心に残っています。
絵で人々の心を動かすことのできる木田金次郎さん、そして美術館の環境をいつも丁寧に整え、お客様のことを一番に考えている職員の方々のことをとても尊敬します。
お忙しい中、実習を受け入れて下さり、そして丁寧にご指導して下さり、本当にありがとうございました。
余市町立旭中学校  S.H

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
色々な場面で協力して頂き、ありがとうございました。3日間本当にお疲れ様でした。
次は生徒さんを連れて美術館に遊びに来てくださいね。今後のご活躍を願っています。(S.N)

絵画教室子どもの部で荒井記念美術館に行きました☆

4月から始まった絵画教室の受講内容の一環として子どもの部のみんなで荒井記念美術館に見学に行ってきました

7月10日に行ったクラスではあいにくの雨模様。
たら丸バスに乗り込み遠足気分で出発!
小学生の多いクラスのみんなは真剣に絵を見てきました

7月17日は年長さんの子が多いクラス。
福田先生から美術館の説明を受けて出発です
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荒井美術館に到着し、スタンプラリーをしたり、広~い館内をぐるぐると探険しながらピカソの絵をたくさん見てきました。雨も止み、美術館の庭でみんなで探険!
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色々な彫刻やオブジェの数々。景色もとってもよかったです。
子どもたちは広い庭でバッタを見つけたり、葉っぱ集めに夢中の様子でした
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最後に荒井美術館の学芸員さんに可愛いお土産をいただきましたありがとうございました!
たくさん見学して遊んだあとは、次の絵画教室でピカソの<顔>を描きます。
未来の小さな画家たちはどんな<ピカソ>を描くのかとっても楽しみです(S.N)
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8月26日(金)はナイトオープン!!

暑い暑いもつかの間…秋の気配を感じています
美術館恒例夏のナイトオープンが近づいてきました。
午後6時30分より、7月から始まった企画展示「木田金次郎の<肖像>ポートレート」を学芸員による熱い展示解説が始まります。

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その後はお待ちかね、冷たい飲み物と美味しい食事がお出迎え

昨年に引き続き、共和町の『Grow up』のみなさんによる採れたて新鮮野菜の直売もやります

キャプチャ


楽しいひと時を美術館で過ごしませんか?(S.N)

※写真は全て昨年の様子

☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★

『夏のナイトオープン』
2016年8月26日(金)

18:30~19:00 ギャラリートーク
19:00~20:00 ナイトラウンジオープン

参加費 1,000円(観覧料・ドリンク代込)
      ≪前売券 発売中≫

☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★

『高文連岩内高校美術部作品展』始まります!!

「高文連後志大会」にあわせて岩内高校美術部の生徒さんの作品が展示されます
ぜひ皆さん、岩高美術部の凄さをご覧ください

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『高文連岩内高校美術部作品展』

2016年8月24日(水)~8月28日(日)

木田金次郎美術館 第4展示室 入場無料

※現在開催中の『しりべしミュージアムロード共同展』は、
8月24日(水)~8月28日(日)の期間中は展示構成・会場が変更になっております。
ご了承ください。尚、スタンプラリーは行っておりますのでご来館お待ちしております。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

第22回生誕祭 ミュージアムコンサート『チェロとチェンバロの彩り』

7月16日(土)午後6時より開館当初よりお越しいただいているチェンバロの明楽みゆきさんと、チェロの藤田淳子さん(昨年に続き2度目)のデュオで記念コンサートが開かれました。
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~第1部 弦の妙なる調べ~
全てバロックでの構成。3曲目、カザルスのカタルーニャ民謡「鳥の歌」は奏でられた瞬間から哀感あふれるメロディーにどんどん引き込まれていきました。
繊細な命への愛おしさが、チェロのハーモニクスに巧みに表現されていて、とても印象深く残りました。奏者も感情を抑えきれない様子でした。
鳥を詠った楽曲にはなぜか心を震わせる作品が多いように思います。
ソロは無伴奏チェロ組曲第3番より3曲。チェンバロではクープラン「恋のうぐいす」など4曲...美しい曲が次々と披露されました。

~第2部 四季の移ろい~
春夏秋冬の馴染み深い作品から数曲ずつセレクトされた日本歌曲(全17曲)。
荒城の月、夏は来ぬ、浜辺の歌...。心地よい音楽に揺られながら思わず口ずさみたくなったりも...。
叙情豊かなチェロのメロディーに琴のようにチェンバロが寄り添うと、情景が更に広がりをみせます。日本歌曲と二つの楽器の相性は素晴らしく、これ以上はないように感じています。

コンサートの終わりには、中田喜直の「夏の思い出」を会場の皆さんで...。フル伴奏のような雰囲気の中で最高に贅沢な気分に浸りました。
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回を重ねてきたチェロとチェンバロ『奏(かなで)』は、展示室の木田作品ともコラボし、年に一度の今日の日を待っていて下さる方もいるのでは...と。未体験の方は夏の夜のひと時、是非一度お運び下さいね。
明楽さん、藤田さん、意を尽くした演奏、誠にありがとうございました。
お二人のご活躍、岩内より願っています。(S.Mi)
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生誕祭記念講演「木田金次郎と萬鉄五郎がもたらしたもの」を聞いて

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7月16日(土)、木田の生誕祭記念講演会が展示室2で萬鉄五郎記念美術館学芸員平澤 広氏を講師として開催され、約30名の聴衆が熱心に聞き入った。
以下その要旨である。前半は画家について後半は美術館が核となり運営したユニークな町おこしについてだ。

萬鉄五郎は明治26年岩手県東和町土澤で生まれ幼時から画才に恵まれたがやがて上京、東京美術学校で学ぶ。
卒業制作で「裸体美人」を提出し大きな反響を巻き起こす。
斜面の草原に半裸の若い女をよこたわせる大胆な構図に草原の緑、真っ赤な腰巻等に効果的に原色系を使った作品。
萬は黒田清輝たち画壇の主流の教えに飽き足らず一歩進んだ境地を目指したのが画家たちには大きな衝撃を与えた。
あまりにも意表をついたのか不評の声ばかり。
だが間もなく正当に評価され今では我が国の美術史上、記念すべき作品となったのである。
萬はその後フューザン会、円鳥会の結成に関わり気鋭の児島善三郎や林武ら若手を誘い入れ、日本の風土に合う洋画の描き方を究める。水墨画を取り入れたりもした。
これが独立美術協会へと発展する。意欲的に活動したが型破りな作品が多く当時は理解されず長い間世間からは忘れられていたのだが、鎌倉近代美術館が萬の企画展を手がけ、再び世間の注目を浴びることとなりそれが契機となり地元の岩手でも美術館開設の運びとなった。

街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>について
人口減にシャッターが目立つ商店街とさびれゆく地域を目の当たりにして、美術館が中核となり町おこしのため立ち上げたアートプロジェクトで、期間は秋の一か月、会場は土澤全域の店舗、空き地、空き家、倉庫、公園を確保した。
シャッターは上げ開放。そして街じゅうに現代美術を作り展示しようという新鮮、壮大な試みだ。
現代美術普及の願いある。範囲は東西2キロ、南北1キロにわたる。
参加者はプロアマ問わず、参加料なし、ただし制作から撤去まで一切自己責任.、これが参加条件。
原状復帰して解散だから元の街に戻る。
運営には実行委員会が当たりスタッフは美術館の他に商工会他関係団体から成る。
人手不足なのでボランティアも募集したところ応募者多数。
当初地域住民はこのイベントに半信半疑だったが作家が150人ほどボランティアも各地から続々入ってくるのを見て本気で協力しようと大きく変わった。
平成17年度(以下平成略)から26年度まで6回実施、参加アーティストは多い年には200人にもなり展示作品は最多886点、入場者数は右肩上がりで最多25000人にもなった。
予想を上回る好結果だが課題もありまた運営全般に多大な労力を要し負担過重の面もあり現在は休止状態。

街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>のHPは

アート&クラフトフリーマーケットについて
この活動は5月、10月年2回でともに数日間。参加条件等はまちかど美術館と変わりなく20年度から28年度まで毎年実施し参加者250軒、来場者数40000人の大盛況。

これらの事業がもたらしたものは美術館があったからできたということと、関連して美術館はかけがえのない町の資産ということに気づいたことだ。(O.Y)

ポプラの会研修会に参加して

7月13日研修会に参加しました。ポーラ美術館コレクション「モネからピカソ、ジャガールへ」という有名人に冠したザブタイトル通り、実物はとても素晴らしかったです。
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専門家ではなくとも、それはつくづく感じました。
一見だけでも体験してきて良かったという感じ…。
連作することによる技術の習得、アーティストの宿命ですね。
毎日オカリナの練習をする私にはよくわかる。
誰かがアホウドリ(芸術家)になってくれることで、私たちの見たり聴いたりごく当たり前と思われる物象がこんなにも美しかったのか、と大発見する体験でもあります。

そして帰りのバスの中、私たちを連れてってくれたSさんから感想を聞かれ、私は「ルドンの日本風の花瓶を何もない部屋において、私は隅っこに座っていたい。」と答え、するとSさんは「ん億円はするよ!」…。

研修
もともと希望が幻想なのでやっぱり私は幻想の世界に突入するのでありました。(参加者 岩内町I.A)

美術館講座2016 第2回目を受講して

7月9日(土)は岩内神社例大祭の最後の日である。この日は木田金次郎美術館2回目の講座日なので参加してみた。
今回のテーマである「ふたつの肖像」とはどんな内容なのか見当がつかず開始の30分前に入館し展示室を一回りした。
一階奥の左側の一面に7枚の肖像画が展示されていてほとんどは今まで見たことがあったものだが、最後の7枚目の「上浜梶雄像」は初めてなので気になった。

講座が始まりいつもより多い木田の写真を熱を込めて説明する岡部学芸員。
こんなに沢山の写真があったのかと驚いた。
木田が描いた「肖像画」と木田を撮った「肖像写真」これがふたつの肖像<ポートレート>なのだとやっと理解できた。
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私が気になっていた「上浜梶雄像」にはちょっとしたエピソードがあったのである。
資料の新聞記事を見て思わず「ふふっ」と笑ってしまった。文面を一部紹介してみよう。
“もし、新聞の連載がなく、上浜さんが道新を読まず、自宅が向かい同士でなかったら、この肖像画が広く知られることはなかったかもしれない”と。
そして“挨拶をしている若い人が、月曜日の昼間いつも家にいるのはどんな仕事をしている人なのだろうと上浜さんは思っていたが、美術館の人だと分かり、木田が父親を描いた絵が自宅にあることを学芸員の岡部さんに告げた”とのことであった。
この記事は2001年12月26日付けの「回顧2001」に当時岩内支局に勤務していた高橋記者が書いたものだ。いろいろな偶然が重なり貴重な作品が発掘されたことに、私なりに今後も何が起こるのか楽しみが増えた感じがする。

終わりに展示室からシアターに戻り「アサヒグラフ」の古い版を見せていただいた。
触るとバラバラになりそうな感じのするものだったが、記事の題が横書きで右から左に書いていたので、戦前生まれの私でも知らないからかなり古いものだと思う。
そこに「北海道に埋もれた天才画家・地方奇人伝」当然漢字は古い字体で、木田金次郎を写真入りで紹介していた。
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この美術館講座は毎回新しいことに挑戦しているのでとても楽しみである。(T.T)

岩内神社例大祭はすごいね

7月7日夜7時岩内神社境内で、宵宮祭(よみやさい)があり、赤坂奴(あかさかやっこ)の演技が始まった。
高校生も数人入り、30代から10代までの20数人の若者達が、掛け声をかけながら隣り合った奴(やっこ)に房のついた毛槍を交互に投げる。
毛槍は結構重く、相手との距離と間合いを見ながら投げ合うのは至難の業だ。
見ているこちら側にも緊張感が伝わってくる。
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赤坂奴の演技が終わると、神楽(かぐら)が始まった。横笛や太鼓の音が鎮守の森にしっとりと響いていく。
数人の巫女姿の少女達や男達が、2人もしくは4人で松前神楽やいくつかの種類の神楽を披露する。
最後はひょっとこの面をかぶった男の舞があった。
手で2枚のお盆を回したりしてまるでお盆が手にくっついているのではないかと見間違うほどだった。
最後にひょっとこがお盆を2枚手から放して仕舞うと見物人からど小さなどよめきが上がった。
そして恒例の餅まきが始まった。町長や年男数人が、つきたての餅をばらまく。
人々は必死に拾う。中には賞品の名前入りの紙が入っているものもあった。
その場で交換すると様々なものがもらえる。餅まきが終わると、みんなは露店に繰り出してゆく。
神社の階段下には、暗い参道に提灯が左右に50メートルほど並び日本情緒あふれるシーンが広がっている。
通りすがりの浴衣姿の女達が実に美しく見える。
その先には露店が何10軒と並び、北海道神宮祭をほうふつとさせる賑わいとなる。
岩内周辺の倶知安、ニセコ、寿都あたりからも人々が集まってくる。
毎年7月に行われる、230年の歴史を持つ岩内神社の例大祭は3日間続く。(S.S)
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岩内美術協会のこの頃

岩内美術協会は1955年(昭和30年)創立され2年後の1957年(昭和32年)から春・秋の年に2回協会展を開催しています。
会員の研鑚と親睦を柱として結成されました。結成当初から協会展の発表だけでなく公募展へも挑戦するなど絵を描く情熱に満ちあふれた人たちがたくさんいました。
当時は会員数も三十人以上いましたが、現在は二十人を切る状態です。
世の中は1980年代から2000年代へと経過し社会の生活様式の変化にともない美術へのチャレンジの仕方も変化、変遷を辿りました。
今や様々な美術へのアプローチの仕方があり只単にキャンバスに向かい発表するだけの方法だけではなく、現在の若者たちは趣味の世界ではなく専門性を求め大学や専門学校に進むなど選択肢が増えた事も会員減少の要因になっているのかもしれません。
岩内美術協会は趣味の集団といえますが、会員にとって自分自身の考えを形と色に置き換えて表現し観てくれる人たちの心の中に入り込めるか・・・真剣勝負の場でもあります。
仕事と家庭を持ちながら制作するのですから、なかなかキャンバスにむかい集中することは大変です。
それぞれが工夫して自分の時間を持つようにしています。
年に2回の作品発表の場ですが、描けない時期もあり作品発表がプレッシャーになる事もあります。
「絵が好き」という共通の認識の中で、自分の絵を見続けてくれている会員は一番の鑑賞者であり、批評家でもあります。
この仲間の存在は大きいです。それがあるからこそ、継続して描く事ができ、この会が存続しているのだと考えます。
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「美を求めて」
何故岩内は木田金次郎を始め著名な画家が輩出され、何故こんなに絵を描く人がいて、絵画への関心が高いのだろう。
一説には岩内の風土・地形が人をつくったとか。
初めて岩内を訪れた人のよくある感想は海と街と山が近い。
この距離感の中で生活することによって空間処理が子どもの時から育まれたのではないか。それだけではなく、更に北海道が持っている季節感が大きな要素になっているはずです。
何故人は「美」を求めるのでしょう。
健康な体を維持するために食べ物をとります。タンパク質、脂質、ビタミンと様々な栄養素が必須です。
しかし、美しい景色を見る、音楽を聴く、会話する。
何故必要か…美しい景色を見ると心が動く、自分の好きな音楽を聴くと心が元気になるし、穏やかな気持ちになる。
楽しい会話は時間を忘れる。そこには人間の感情のすべて喜怒哀楽が係わる。
ある人には美しい景色でも、ある人には全く感じない景色かもしれない。感じ方は人それぞれであり、感じたとしてもその強弱があるはずです。
健康な体においしい食べ物が必要な様に健康な心には美しい風景や美しい音楽、楽しい会話、すべてを感じなければならない。
感じるこころを深めるためには「美」が「心の栄養」になるのではないかと。(M.T)

力作ぞろいだね 岩内一中作品展

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入って正面にど~んと「ワンピース」の巨大画面が眼に飛び込んでくる。
共同制作「仲間がいるよ」だ
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5ミリの黒画用紙を みんなで92、279枚貼っている。
縦2,4メートル、横3,15メートルある圧倒的な画面だ。
緻密さと力強さがありただただ感心してしまう。

「僕の手」は淡い色遣いに明暗をしっかり表現している。
ピンクのベースカラーに対して左下端に濃い青の袖の色がアクセントカラーになって、画面を引き締めている。

「桜とハイチーズ」はポーズしている男の子の顔がまったりしていて実に面白い。
空の表現がなにげにうまい。

「日常」は教室の場面を斜めに切りとって動きが感じられる。

「ん?」は海岸風景の空になぜかたくさんのペンギンがいて、とてもシュールな絵になっている。
若い人のセンスは実におもしろい。

粘土で作った手は肉付きを出すのに格闘している。スクラッチボードや砂絵は材料の質感をうまく使っている。
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これから様々な経験をして若々しい感性を磨いてもらいたい。(S.S)

佐藤おちろ展「Ochiro World-小品展-」開催中です!

Ochiro佐藤おちろ

 岩内高校美術部出身の佐藤おちろさんが、「いわない怒涛まつり」でのライブアートペインティングのため帰郷。それに合わせて、木田金次郎美術館1階ロビーで佐藤おちろ展「Ochiro World-小品展-」を開催しています。

おちろさんは、高校卒業後すぐに、クリエイター(創造者・芸術家)をめざして上京しました。縁もゆかりもない東京に単身で乗り込み芸術活動を始めたのです。才能、努力はもちろんのこと、持ち前の明るさ、人懐っこさで人脈も広がり、国内外での個展や発表を通して、少しずつ評価され始めています。おちろさんの独創的で、色彩豊かな作品は、大変魅力的です。

Ochiro World

 佐藤おちろ展「Ochiro World-小品展-」は、15点展示されています。8月20日(土)まで。1階ロビーは、無料で観覧できます。ぜひ、「Ochiro World」に、ひたってみてください。

(元・岩内高校美術部顧問 福田好孝)

***********************
Ochiro World-小品展-
2016年8月5日(金)~20日(土)
木田金次郎美術館 1階ロビー 観覧無料
***********************

Volunteer Diary

28,7,1
 岩内第一中学校美術部作品展。部員20名の一人ひとりの写真付き作品解説はパンフレット担当がいて、気になる絵のQ&Aコーナーをにも取り込んだりと部活の充実ぶりが伝わって来ます。全員で力を合わせて制作した‘ワンピース’のモザイクアートは非常に根気のいる作業で5mm四方のマスに黒い紙を貼りモノトーンにして映像を作り上げていました。(S.Mi)

28,.7,3
 切り貼り&図書受け入れ。野口弥太郎のデラックス画集に目をむく。10万円!!レターケースの引き出しに用途別にテプラを貼った。事務局用品と資料部用品七つ道具保管をしっかりやりたい。(O.Y)

28,7,3
 団体が18名来られた。東京、大阪からとのことだった。東京からというご夫婦が北海道はこれで12回目とのこと。観光バスガイドさんが若い時に飢餓海峡を読んだと話してくださる。話が弾んだ。(S.S)

28,7,15
 7月に入り団体さんが好調です。お客さんが多いとやはりモチベーションが上がりますね。「とと姉ちゃん」効果もある・・・続くよう願っています。今日は福岡から70代女性3名が旭川からレンタカーで岩内まで来たそうでかなりパワフルでした。渡辺淳さんとも交流があるとのお話。丁度道新さんの取材の写真にも入って頂きました。(S.Mi)

28,7,17
 昨日16日は木田の生誕祭記念講演会。後半の美術館を中核に据えた町おこしには大きな衝撃を受けた。捉われない発想、やり通す行動力があれば地方の美術館でもこんなワクワクするようなイベントができるんだ!講師先生がとても眩しく見えた。(O.Y)

28,7,18
 連休最終日。ご夫婦、親子、静かな時をゆっくりしていた。団体40人来館。個人客も多かった。(K.F)
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