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ここは竜宮城? 美術館で魚が泳いでいる!!

9月22日、秋のナイトオープン。

6時過ぎ、ロビー周辺が賑やかになる。共和町有志の農家による特設農産物売り場も盛況だ。

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6:30、第4展示室で山岸正巳展のギャラリートークに集まる。担当は雁原学芸員。企画から作品収集等に走り回っただけに話も具体的で面白かった。
この企画で町民の反応はすばやく好意的だった。町の広報で見た、口コミ、自薦他薦等いろいろなルートで一点また一点と結局36点も持ち込まれた。
魚介類限定のテーマもさかなの町岩内にぴったりで共感を呼んだ。魚屋さん、靴屋さん、すし屋さんに飲み屋さんそして一般の町民からも連絡が入った。山岸さんが町の人々にこんなに見守られ愛された証しである。

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このさかな展で1枚目と36枚目が意外にもさかなでない。最初皆さんをお迎えするのは山岸さんご本人48歳の頃の自画像だ。これは所有者の靴屋さんが、「大部分の人は山岸さんを知らないのでは」との心配りで急遽お借りし展示第1号に配置したという。最後に皆さんをお送りするのは平成7年制作の木田美術館正面の絵。前年美術館オープンだからまさに記念碑的作品。これはその年の商工会議所機関紙新年号表紙にと描いた原画である。

山岸さんの絵を手に入れた動機はさまざまだ。直接本人に頼んだ、開店祝いに戴いた、新築祝いに知人から戴いた、好きなので購入した等々。獲れたてのさかなを持って行くこともあったようだが、健康のため菜食中心になってからは描き終わると惜しげなく飼い猫に全部やってしまったという。

お借りした山岸さんの絵はどれも仕舞いこんでいるのでなく、家庭の居間、店内などの目立つ場所に掛けられていた。連絡を受けてお借りに伺うと絵にまつわる物語を懐かしげに話す方が多く、本当に絵の好きな町なんだなと思ったと雁原さんは述懐する。

7:00~8:00 ラウンジオープン。忙しい中で職員手作りのフードメニューにビールのサービス。

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今回は作品提供に協力された方の参加もあり一段と盛り上がりを見せた。
参加者約60名。美術館内水族館にどうぞ。

(O・Y)
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Volunteer Diary

24,8,31
 第4展示室の村井さんと鶴田さんの二人展、すばらしいですね。二人の作品が融合して一層輝いているようです。同じ絵画でも木田とはジャンルが違うように思いますが、美を追求する感性はすごいですね。(S.Mi)

24,9,7
 やっと暑さもしのぎやすくなりました。そろそろ皆さん行動しやすいので美術館にも足を運んでくださるでしょうか。期待。(M・K)

24,9,8
 第4展示室の岩宇美術家集団展を見た。6月の近美、大原展からいろいろな展覧会を見た。有名無名はあろうが「表現」にかける一途な思いがどの作品からも伝わる。文もそうだが、何かを捨て何かを取る、この存念が凝縮された作品ばかりだったという気がする。(O・Y)

24,9,15
 切り貼り一段落してふと気づく。雨の音だ。これでいくらかしのぎ易くなるだろう。第4展示室の山岸正巳展オープン。さかな、さかな・・・36枚、岩内近海のなじんだ魚介類が気持ちよさそうに泳ぎ、岩にへばりつく。ごく普通の人たちの生活の中にいた山岸さんの姿がそこにあるようだ。(O・Y)

24,9,22
山岸正巳展2回目。やはり助宗、にしん、いかがいいな。見なれ食べなれたからだ。新鮮ですぐにでも刺身でイッパイ・・・そんな気持ちが画面から伝わる。助宗を数尾、頭を縄で通し一からげにした作品がある。よく浜の漁師のおやじさんがやっていた懐かしい風景。(O・Y)

新作ポストカード紹介 ―第5弾―

「タンクのある風景」1957.8.12 素描

1957 タンクのある風景

この絵が描かれた八月といえば、夏イカ漁の最盛期。岩内港は毎朝大漁旗を上げたたくさんのイカ釣り船で賑わっていました。漁業の町「岩内」がたくましく、生き生きと活気にあふれていた時代です。この頃、埠頭のひとつ棒ッコ燈台(ボッコトウダイ)に漁船の燃料タンクが二基ありました。その隣は漁業組合の卸売市場で、早朝から仲買人や競売人の威勢の良い掛け声が飛び交っていました。
「タンクのある風景」は波間に影を落とす係船と重油タンクを画面中央に配し、昼下がりの静かな時間が流れる忙中閑有の漁港の風景を切り取った一枚です。この時期、木田金次郎は「夏の岩内港」をはじめ、港周辺を画題に多くの傑作を残しております。
今夜はこのポストカードを眺めながら、活きの良いイカ刺を肴に冷えたビールなどいかがでしょうか。(M・T)

鑑賞スケッチノートから

○2012/8/1  東京都 O .T 様
小学校の時の教科書に岩内の木田金次郎の話があり、何故か強烈な記憶として残っていた。今回、仕事で岩内に訪れたが、この美術館のある事を知り帰京前に寄らせて頂いた。木田金次郎氏の画が好きになった。又、来年も来る予定があり、別の作品を是非見てみたいと思った。

○2012/8/1  札幌市 K 様  
祖母の希望で貴館へ立ち寄りました。普段美術館へ来ることはなかったですが、画集で眺めるよりずっと面白かったです。これから折を見て他の美術館へも足を運んでみようと思いました。

○2012/8/2  神奈川県横浜市 A.T 様
若い頃「生れ出づる悩み」を読み感銘を受けた。実物の作品を観ることができ、美大を受けて今はあまり制作もすることがない生活だが、心がさわぎ始めた。

○2012/8/5  倶知安町 Y.K 様
木田様の〝そい〟は何とも言いがたし。

○2012/8/11  旭川市 K.H 様
いつも発見が多い木田金次郎美術館ですが、今日も発見と感動が多かったです。児島さん木田さんをとても丁寧に比較して展示して下さったので、共通点や違いがよくわかり、とくに絶筆にはとても驚かされました。展示のすばらしさのおかげと思います。ありがとうございました。

○2012/8/14  札幌市 N 様  
久しぶりに来ましたが、以前と違う印象をうけました。木田さん児島さん共に空の表現がキレイだったことが一番印象的でした。また、年代で変化してゆく様子がわかる『ヘンシン』の展示が面白かったです。

○2012/8/14  千歳市 R.S 様
私の祖母の美術の先生が木田金次郎の弟子だったと聞いて、墓参りの帰りに来てみました。私自身、美術や芸術関係に興味があったので、とても勉強になり、楽しく回らせていただきました。機会があればまた来たいと思います。

○2012/8/16  札幌市 N.A 様
木田さんの絶筆となった『ばら』に感動しました。力強いタッチで、生命力を感じました。

○2012/8/18  札幌市 S.O 様
木田さんと児島さん、同じ年に生まれて同じ年に没していたのですね。北海道と九州の作家でこんなにも作風が違うのだと思いました。比べて観ることで、木田氏の素晴らしさを改めて感じました。じっと2時間も見つめていたなんてスゴイエピソードですね!!

○2012/8/21  旭川市 (名前なし)様  
そいの画は最高!

○2012/8/23  東京都 H.M 様
道立美術館で拝見していらい。再見。そのパワーあふれる絵に打たれました。

○2012/8/28  新潟県 N.S 様
木田が岩内大火に遭ったのは、現在の私の年齢の時でした。これからの自分の人生をどう生きてゆくか考えさせられました。

第2回日帰り研修コメント集

・・・近美「東山魁夷展」・市立美「阿部典英展」・・・

Aさん : オリエンテーションの解説もよくすべて感動。「月明かり」特に印象的。油絵と日本画の制作上の差もわかり大きな収穫だった。小さな下絵を何回も繰り返し作り上げていく。「阿部展」のダンナサンシリーズ、意味不明な感じ。サボテンの作品が印象的だ。

Bさん : 感動した。特に「白馬の森」。日本画のすばらしさを感ずる。

Cさん : 「冬華」がよかった。

Dさん : 「道」どんな気持ちで描いたのだろう。あの道をまっすぐ行くとどこへいくのだろう。幸せだろうか。

Eさん : 本当に来てよかった。何とすばらしい。深い心の安らぎを感じさせてもらった。見たまま描くのではなく絵の中に自分の思い出の場所を含ませ味わい深い作品にしている。岩橋英遠、とても個性的。今日見た絵、夢の中に出るかもしれない。

Fさん : 「道」これは希望をあらわすのだろう。私にはどんな希望が残っているのだろうか。

Gさん : とても勉強になった。解説を聞いて東山のことよくわかった。他の画家と違って①フランスでなくドイツに留学したこと②画題として京都を後まわしにしたこと、この2点は当時の画壇の時流に流されず偉いと思う。画壇では異端の人だったのか。日本画の緻密で重厚なこともよくわかった。「阿部展」ではなんでもないありふれた物を芸術的作品に高めた。

Hさん : インターネットで下調べした。「花あかり」に感動。「阿部展」想像以上にたくましい人だなと思う。

Iさん : 「東山展」15年前にも見たことあるがとてもよかった。叙情的だ。「阿部展」は前衛的。

Jさん : 皆さんと同じ。とてもよかった。

Kさん : 「道」余計なものを全部取り払って対象をこの道一本にした潔さ。自分の生き方の参考にもなりそうだ。


このほか数名の方からもコメントを戴きましたが、私の聞き取り不十分で掲載できませんでした。また、発言の内容を適切に表現し切れていないかもしれません。ご了解願いたいと思います。
多くの方から感動した、よかったと喜んでいただき研修部一同とても感謝しております。コメント等は次回計画の参考にさせていただきます。

24,8,21実施 近美「東山魁夷展」他・小樽市立美術館「阿部典英展」他
ボランティア8名 一般13名 計21名 
ポプラの会研修部 記録 O・Y



私のまちの山岸正巳展始まりました

本日より、展示室4にて、企画展「私のまちの山岸正巳」展が始まりました。

ポスター

山岸正巳(1929~2004)は、岩内町出身の画家で、東京美術学校に進学し、安井曾太郎に師事しました。
共和町出身の西村計雄と親交があり、西村がパリに滞在中には、山岸もパリへ行き、スケッチ旅行や、その地に住む人々を、写実的な油彩や、パステル画で表現しました。また、北海道知事の肖像画を描いたことでも知られています。
現在は、共和町・西村計雄記念美術館に山岸作品が所蔵され、その変遷を辿ることができます。

亡くなってから8年経ちますが、今でも、町民に親しまれ、愛され続けている画家のひとりです。
自宅の茶の間やリビング、また、お店を経営されている方は、店内に山岸作品を飾っていたりします。

この企画展では、岩内町民の方々が所蔵する山岸作品をお借りした、海のまち・岩内らしい、魚やイカなどの「魚介類」の作品を展示しています。

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企画展のために、町の広報や、北海道新聞で協力して下さる方を呼びかけたところ、なんと36点もの山岸作品が集まりました!
この辺りの方にとってはお馴染みの、にしん、スケソウダラ、そい、ガヤ、ギス、イカなどなど。
マスやヤマメ、アワビ、タイ、エビなど、様々な種類の魚介類を展示しています。

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展示室は、まるでお魚屋さんのようです

展覧会期間中は、西村計雄記念美術館との2館スタンプラリーも開催しています。
ふたつの山岸正巳展を鑑賞して、オリジナルグッズを当ててみてはいかがでしょう?
西村計雄記念美術館へ

9月22日は、展示解説付きの「秋のナイトオープン」も開催致します。

皆様のお越しをお待ちしております!

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私のまちの山岸正巳
2012年9月15日(土)~10月14日(日)
展示室4 観覧無料

秋のナイトオープン
2012年9月22日(土・祝)
18:30~ ギャラリートーク
19:00~ ナイトラウンジ
観覧料・ドリンク代 1,000円

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(G・I)

日帰り研修 ~東山魁夷展を鑑賞して~

朝起きて、新聞の天気予報を見ると札幌の最高気温は、32度!「今日は、とても暑くなりそう」
東山魁夷の展覧会を連れ合いと二人で鑑賞するのは、鹿追町の福原記念美術館の東山魁夷のリトグラフの作品に続き二回目となります。
私は、画家の生い立ちや、履歴を知ることで画家の人柄や人となりを感じることができるのではと思い、にわか勉強ですが一応インターネットで下調べをします。
画家自身の物事の考え方や振る舞いなどを含めた様々な要素が作品の評価につながると考えているからです。
東山作品の多くは、月明かりが自然に絵になじんでおり絵を際立たせているように感じました。
その中で私がもっとも見たかった作品は、「花あかり」でした。
学生時代に日本画を少しかじった私の中では、絵は、主に太陽の中で描くことが一番と思っていましたが月明かりの中で描くという発想に魅力を感じました。
「花明かり」の絵は、私が考えていた以上に幻想的で清楚な感じがしとても魅力的でした。
学芸員さんのお話の中にもありました、「日本画は、油彩の描き方と違い、色の重ねのやり直しが出来ない分、色合いの失敗は許されない」と解説されていました。
油彩と比べると派手さには負けますが、日本画のしっとりとした奥ゆかしさをなお東山魁夷の作品の中で感じた1日でした。
これも研修部の皆様のお陰です。暑い日のなか有難うございました。
(M・T)

垂れ幕から手作り帆布製品まで人気急伸!! 村本テントさん

町内銀座通り商店街の村本テントさんで開催されていたミニ垂れ幕展が9月8日に終わった。

8月8日、木田美術館ワークショップ参加者が作成したもの。

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幅20cm,長さ50cmの布地に「たら丸」「べに子」などの町ユルキャラや好みの絵柄15点が色鮮やかに描かれ、立ち寄る客の目を楽しませた。

この垂れ幕、実は岩内高校が発祥といわれ、学校祭で全クラスがその制作に総力で取組み独創的な図柄に仕上げ校内で垂れ下げその出来具合を競う。幅1,5m、長さ10mのものが十数本垂れ下がる光景はまさに圧巻、町の名物にもなっている。

そもそも、1988年(S63年)に美術の鵜沼先生が発案、村本テントさんに生地の調達を頼み、ご主人はキャンバス地を選び幕の先端に重し替わりにパイプを付けた。例年5月に幕作りにかかり6月中旬に高校に納品する。現在、道内約十校から注文を受けている。
垂れ幕だけでなく、バッグ類もオーダー製品が好評だ。機能性、堅牢性に手作りの使い易さと温かさが人気を高め町外からのオーダーも多い。最近は若者に超人気のビームスとのコラボレーションも依頼されているようで、現在注文すると12月待ちの状態。
帰り際のご主人の一言「こんな店でもやり方によってお客さんに来てもらえる」、取材中に町外かららしい客が来店する様子を見て私はそうだと実感できた。

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ちなみに店主憲次さんは3代目、家業を継ぐ息子さんと二人でこれからもアイデアを凝らした製品が期待できそうだ。 (O・Y)

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村本テント

岩内郡岩内町万代13-1 (国道229号線沿い)
℡ 0135-62-0503
http://www.muramoto-tent.com/

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ミュージアムロードバスツアー

8月18日(土)お盆明けに、ミュージアムロードバスツアーを開催しました 開催中だった「ヘンシン!」を鑑賞するツアーです。
行き先は、ニセコ町・有島記念館倶知安町・小川原脩記念美術館
直前に、北海道新聞に取り上げていただいたということもあり、12名の方が参加してくれました。


まず、午後12時半から、木田金次郎美術館で「画風の変遷」を鑑賞します。

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木田金次郎・西村計雄・小川原脩の3人の作家を軸に、木田と関わりがあった有島武郎や、西村が憧れていたピカソの話を交えながら、作品を紹介しました。


午後1時に「たら丸バス」に乗り込み、まずはニセコ町の有島記念館へ向かいます。
一時間程で到着し、「ヘンシン、ニセコ!」や常設展を鑑賞。

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有島武郎の小説「親子」の文章を用いて、ニセコの昔と今のヘンシンを紹介する展示でした。

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天気も良く、外に出ると羊蹄山もよく見え、景色もとても素敵でした。


午後3時には、小川原脩記念美術館へ到着し、

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学芸員の矢吹さんが、「素描と油彩画」を案内してくれました。
素描と油彩画の違いや、それぞれの画家と小川原脩との関わりなどを、おもしろおかしく解説してくれました。

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常設展も鑑賞し、無料のコーヒーとキャンディをいただき、倶知安をあとにしました。

木田美に到着したのは午後4時半過ぎ。予定よりオーバーしてしまいましたが、参加者の皆さんには楽しんで頂けたようです。

天気も良く、バスツアー日和となった一日でした(G・I)

ワークショップ作品展示

8月8日に行った、夏休みワークショップで参加者の皆さんが作った「ミニたれまく」が【村本テント】さんで展示されます。

「ミニたれまくにちょうせん!」の記事はこちら

先日のワークショップでは、岩内高校卒業生の土井みのりさんをお迎えして、岩内高校伝統のたれまくのミニチュア版を作りましたが、毎年、垂れ幕の生地を注文しているお店が、村本テントさんなのです。
ワークショップも、村本テントさんにお願いして、高校生が作っているのと同じ生地で、ミニチュアの垂れ幕を仕立ててくださいました。


「村本テント」さんは、岩内のカバン屋さんで、帆布を使い、とっても丈夫な山菜カバンや、キャンバス地のおしゃれなポシェットなどを作っているお店です。
町内、北海道内だけでなく、道外の方にも人気のカバン屋さんです。


村本テントさんへ
http://www.muramoto-tent.com/

テントさんでの取材は、また改めて

ワークショップに参加した子どもたちや、高校生ボランティアのみなさんの作品を見に、ぜひ足をお運びください


展示期間:9月1日(土)~9月8日(土)


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ワークショップに参加された皆様

9月8日(土)から、作品を返却いたします
9月11日(火)から作品を返却いたします。
お手数ですが、美術館までお越しください。
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