網走といえば… 田上義也あれこれ(5)

前回の記事でご紹介した網走といえば、
田上義也の代表的な作品がある街でもあります。

網走市立郷土博物館
網走市立郷土博物館 1936年

丸いドームが特徴的なこの建物、
建設当時は「北見郷土館」という名称でした。
有名な「モヨロ貝塚」を発見した米村喜男衛氏が収集した考古資料を中心に発展した、
道内屈指の歴史ある博物館です。

開催中の特別展示、
「田上義也―北方建築の種」展では、
この「北見郷土館」と、
対になる建物「網走観光ホテル」の透視図を展示しています。
地方に田上の建築が広がりを見せた時代。
その息吹を感じることができます。

網走市立郷土博物館は、
今なお現役の田上建築として、とても重要な存在です。
こちらも、網走へお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

詳しくは、網走市立郷土博物館のホームページへ。

(学芸員 岡部 卓)

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2010特別展示
木田金次郎の交流圏
「田上義也―北方建築の種」展
11月7日(日)まで開催中
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網走で「藤倉英幸と旅のイメージ」

岩内では6月18日から7月19日にかけて開催され、
大いに賑わった岩内出身の藤倉英幸さんの展覧会、
「藤倉英幸と旅のイメージ」が、
ただいま網走市立美術館で開催されています。

「藤倉英幸と旅のイメージ」網走展
チラシに登場する作品はご当地にちなみ「サロマ湖の岸辺」。

JR北海道の車内誌の表紙となった貼り絵原画も、
これまで札幌・帯広・岩内と旅してきましたが、
網走が最終会場。

オホーツクの地で観る藤倉作品もまた格別でしょう。
道東へお出かけの際には、ぜひご覧下さい。

詳しくは、網走市立美術館のホームページへ。

(学芸員 岡部 卓)

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「THE JR Hokkaido」の表紙絵から
藤倉英幸と旅のイメージ
網走市立美術館 9月11日(土)~10月11日(月・祝)
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映画「レオニー」

レオニー

彫刻家イサム・ノグチの母、レオニー・ギルモアの生涯を描いた映画、
「レオニー」 (日米合作・松井久子監督)が、
11月20日(土)から全国ロードショー公開されます。

この映画の「特別鑑賞券」を、木田金次郎美術館で取り扱っています。
1枚1000円。通常の前売り券は1300円、
当日券は1800円ですから、かなりお得です!

この映画は、松井久子監督の映画制作に賛同し、
「レオニー」の制作・公開をサポートする
マイレオニー」という組織が結成され、
ひとりでも多くの方に、この映画を観ていただくように、という活動を行っています。
その代表が、斎藤弘美さん。
そう、岩内町観光親善大使でもあり、2005年に当館で講演いただいた方です。

「レオニー」はイサム・ノグチの最晩年の作品、
札幌の「モエレ沼公園」でもロケを行いました。
北海道各地にも、この映画を盛り立てる輪が広がっています。
斉藤さんのご縁で、「マイレオニー」のスタッフの皆さんの中にも、
岩内を訪れ、木田美ファンとなった方もたくさん。

ひとりの女性の生き方を描いたこの映画。
ぜひ映画館へ足をお運び下さい!

(学芸員 岡部 卓)

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「レオニー」特別鑑賞券
1000円 木田金次郎美術館で取扱中 
このチケットは全国の上映館でご利用いただけます
北海道では、札幌シネマフロンティア
        ディノスシネマズ札幌
        シネプレックス旭川  で上映(2010年9月現在)
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鑑賞スケッチノートから

○2010/8/3  函館市  K.S様
いつも通り過ぎていましたが、やっと来ることができました。木田さんの力強い筆のタッチ、色づかい伝わってくるものがあります。今、絵を休んでいますが、見ているうちに筆を取りたくなりました。今日は来れて良かったです。ありがとうございます。

○2010/8/4  宮城県角田市  S.M様
「美術の道」へ進むことを後押ししてくれた「生れ出づる悩み」の木田金次郎に感謝したくて来ました。有島武郎とともにありがとうございました。木田の絵はいまだに未完で作者の加筆を待っているように思われました。

○2010/8/5  札幌市  F.T様
木田金次郎さん、田上義也さんの作品を通して岩内や北海道への想いや自然の素晴らしさ、強さが改めて知ることが出来ました。ありがとうございます。

○2010/8/6  川崎市  H.R様
生れ出づる悩みで木田さんを知りました。今回、勢いのある作品や木田さんの写真を見てここに来れて良かったと心から思いました。田上さんの作品も細かくてとても素晴らしく勉強になりました。
○2010/8/7  札幌市  Y.M様
兄が師として憧れていた木田さんの美術館を再度訪れました。まるで兄とともに居るような感じでした。絶筆の「バラ」は美しいを通り越して凄みを感じました。

○2010/8/ 亀田郡七飯町  F.M様
力強くてたくましい道産子の底力を感じました。若い頃の焼失した絵も見てみたかったです。年数を経ても若々しく絵って本当に訴えるものがあり、いつ見ても素晴らしいと思います。68歳ですが、また道南より会いに来たいと思います。

○2010/8/10  札幌市  M.Y様
有島の「生れ出づる悩み」を読み、ぜひ一度来たいと思っていました。長年の望みでした。

○2010/8/12  札幌市  T.M様
子供の頃に祖父に木田さんの話を聞かされた事がありました。岩内へ来ると木田金次郎美術館に入りますと、なぜかホッといたします。

○2010/8/12  さっぽろし  S.Kさん
すごいじょうずでした。えをかいた人はしらないけど、かいた人は、しんちょうにかいたから、じょうずだとおもいます。

○2010/8/12  札幌市  O.A様
繊細で力強い絵にとても感動しました。これこそ美術です。作品を間近に見ることが出来て本当に良かったです。

○2010/8/13  神奈川県厚木市  S.M様
初めて木田金次郎という画家を知りました。とても素晴らしい作品でした。日本にこんな画家がいたとは知りませんでした。感動しました。

○2010/8/13  仁木町  S.H様
絵は人に思いを伝えるものだと思いました。こんな素晴らしい絵は初めてだったので学校でまねさせてもらいます。
2010/8/15  札幌市  T.M様
毎年来たいと思っていますが、今回7度目位ですが初対面の素晴らしいworksも見れて感動!!物の内面の生命があふれでていて圧倒される。

○2010/8/17  日高町  T.S様
昭和44年岩内町万代に住んでおりました。その時は美術館がありませんでした。本当に素晴らしい美術の、数々に感動致しました。
○2010/8/20  札幌市  K.H様
島本融氏がお元気だった頃(S43年ころ)お邸に招かれたことがあり、改めてあの家の素晴らしかったことを想い出しました。木田金次郎の絵画もずっと見たいと思い、やっと見ることができて感激です。

○2010/8/  東京都調布市  U.K様
久々に見る力強いタッチの絵に感激!!

○2010/8/24  石狩市  M.T様
学生の頃読んだ「生れ出づる悩み」、その時からどうしても木田さんの絵が見たかった。今日夢が叶いました。胸がふるえました。

○2010/8/24  埼玉県深谷市  M.K様
中学生の時(50年前)読んだ「生れ出づる悩み」の画学生に会えたようです。木田金次郎の晩年の作品が素晴らしい。また見に来ます。この美術館を持った岩内町も素晴らしい!!

○2010/8/24  千葉市  T様
「ぼたん」の絵が個人的に好きです。

○2010/8/24  相模原市  T.Y様
一度見学したいと思い今日実現し、大変嬉しいです。木田先生の晩年の作品を見ることが出来て結構でした。
(T・T)

Volunteer Diary

22,7,28
 第4展示室でミュージアムロード共同展を見た。他館の名作を居ながらにして楽しめハッピーな気持ち。西村さんのハットするような刺激的な形,色彩の次に小川原さんの何でも包み込むようなやわらかく暖かい感じの絵。心が安らぐ。(O・Y)
22,8,5
 昨日の全体会議後に北海道博物館協会表彰の記念写真を撮った。以前頂いた道新の奨励賞の盾と後志教育局の教育実践賞の盾を棚の上に飾った。表彰状は職員の泉さんに頼んで壁に飾ってもらった。こうしてみるとなかなかなものだ。(T・T)
22,8,6
 花階段のランタナ元気に育っていますね。冬越しさせてまた咲かせて・・何工程もクリアしていますね。《七変化》と呼ばれているそうです。暑さにも強いみたいですね。(S・M)

ランタナ

22,8,7
 お盆スタートし、そろそろ観光客の方が増えつつあるのでしょうか。館内はクーラーもちょうど良く眠たくなるのが難点です。(S・K)
22,8,10
 久しぶりに来ました。夏休みに入ったせいか二人三人と切れ間なく入館されていました。皆さん,真剣に熱心にご覧になっていました。(S・M)
22,8,14
 9/11のバスツアーを申し込む。美術館講座の特別コースだ。名のある建築巡りなので期待している。土曜日は前田さんも来て新聞切抜き記事の目次打ちをやっている。私がお願いしたのだが無理せず続けてほしい。(O・Y)
22,8,21
 土曜日初のナイトオープン。30分ほど岡部さんのガイドがあり軽食コーナーへ。職員手作りの品々は舌もとろけそうな美味。ロビーのテーブルでボランティア4名ビール片手に話題が弾んだ。
第1展示室で岡部さんの説明を聞きながらふと気づいたのだが、釧路の田上さんの手による建築物の設計図が展示されている。図の右側にArchitektural・・・(建築上の・・・)とある。この単語が目に止まった。これはArchitecturalですね。当時アシストした人の誤記かも。だが専門家の目に触れる機会も多かったろうにそのままやや70年も経っている。
訂正されずに保存したのはこのような記録文書は作成時の現状維持という約束事でもあるのだろうか。と、いろいろ空想が膨らむ。(O・Y)

ちょっと早い芸術の秋堪能 2日目-男木島・犬島-

◎2日目(9月4日(土))

今日は男木島と犬島へ。
この日も超超超快晴!!!!! 暑い!!日焼け止めも塗ったそばから汗で流れていく!どさんこにはこの暑さはつらかったです。

男木島へは、宇野(岡山)→高松(香川)→女木島→男木島という感じで乗り継ぎが多いのです。フェリーを乗り継ぎ男木島へ。
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ジャウメ・プレンサの「男木島の魂」がお出迎え。
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男木島では、作品が民家の中にありまして、とけ込んでるんだか異質なんだかわからないけど、ここもまた不思議な感じがしました。
男木島は、坂が多いのなんの。 ひいひい言いながら坂を登って、作品を探して、見て、感じて。

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たまに、おんば(という、木箱に小さい車輪をつけた、取っ手が着いて押せる台車みたいなもの)を押している島民を見たり。遊んでる子どもがいたり。島民さえも景色にとけ込んだ作品に見えます。
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これがおんば。島民が押しているのはもっとシンプルです。

そうそう、島を見学していて、すごいと思ったのが、どこの島もトイレがとってもキレイだったこと!! 全部水洗だし、臭くないし、汚くないし、ウォシュレット付いてるとこもあったし。観光客用にしっかりと設備が整っていました。トイレがキレイって旅人にとっては結構大事。

午前中は男木島を見学し、直島経由で午後は犬島へ。

犬島はかつて銅を作っていた精錬所があり、でも、10年くらいしか稼働していなかったそうで、その跡が残っています。
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その遺跡の中に、現代的な美術館。中にはいると、三島由紀夫の小説の一文を使った映像の作品や、ダリの作品を立体的にしたような作品が。。。不思議。
外に出れば、精錬所の跡と、わさわさと森の茂みがあり、いまにも巨人兵が出て来そう…(天空の城ラピュタ)。 現代アートと、時代から取り残された過去の産物の融合。 ん~~~やっぱり不思議。

「家プロジェクト」という展示もしていて、島の中に4つの家があり、探しながら島を一周できます。
港へ戻り、フェリーで直島へ戻りました。

最後に訪れたのが、大竹伸朗作、直島銭湯「I湯(アイラブユ)」へ。

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中には、男子風呂と女子風呂の間の壁の上に大きな象の作品があって、脱衣所も桶も椅子もカラン洗面所も浴槽の床も全部作品! こんな銭湯かわいすぎます。 汗も流せて作品も見れて。体も心も大満足。

ほんとの最後に、もう一度赤かぼちゃに行き、旅を締めくくりました。

島全体でアートを盛り上げているだけあって、島民の皆さんはとても親切でした。
道に迷ったら「あっちだよー」と教えてくれたり、ボランティアのTシャツを着ている人の年齢層がとても幅広かったり。ボランティアの皆さんの案内や、道看板も徹底されていました。

アカデミックな木田金次郎に毎日触れていますが、ここまで大規模な現代アートは初めての体験でした。不思議、不思議の連続。現代アートは……まだよくわからないけど、自分なりの解釈で楽しめたと思います。島全部回れなかったのは残念ですが、とっても良い体験ができました。

(G・I)

3人の「伊藤さん」―田上義也あれこれ(4)

田上義也の代表作「北一条教会」
1927(昭和2)年に建てられた教会と、
1979(昭和54)年に移転新築した教会と、
ともに手がけたことで知られています。

(新)北一条教会と田上義也
札幌・北一条西13丁目に移転工事中の「北一条教会」と田上。

当館の「田上義也―北方建築の種」展では、
戦前の教会の図面や写真を紹介していますが、
この中に、3人の「伊藤さん」が登場します。

うち二人は、北一条教会を描いた画家。
伊藤仁「札幌北一条教会」(油彩) 「木立と尖塔」(版画) 
伊藤正「北一条教会」(油彩) 


(旧)北一条教会内部
1927年建築の北一条教会の内部

さらに、登場するのが、作家の伊藤整

伊藤整と田上とは、戦時中、一緒に仕事をしていたんです。
そのあたりのことも、展示で紹介しています。
(決して「いとう・せい」の誤植ではないんですよ~)

3人の「伊藤さん」と田上との関係。
詳しくは、展覧会でじっくりと

(学芸員 岡部 卓)

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2010特別展示
木田金次郎の交流圏
「田上義也―北方建築の種」展
11月7日(日)まで開催中
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10年経験者研修

8月10日(火) 2人の先生が研修にやって来ました。
館長と一緒に展示室や収蔵庫、機械室などを見学後、さっそく実務体験!!
受付では、入館料をいただいてチケットを切ったり、しりべしミュージアムロード共同展の説明やグッズの販売等、

研修1-1

又ラウンジではウェイター・ウェイトレスになり、コーヒーやかき氷をお客様に…

研修2-2

他には展示室での監視も体験していただきました。お客様はもとより、我々スタッフにも笑顔で応対していただき、教えたことは1度で覚えられ難なくこなされていました。さすがです。
研修後感想を聞かせていただいたところ、『とても緊張しました。』とおっしゃりながらも、
『2学期の勉強に役立てます。』と言ってくださり、又『いつもとは180度違う方向から見ることが出来てとても良い経験になりました。』と美術館のことや私たちの仕事を理解していただけて、とてもうれしかったです。
さすが10年目の先生たち…立ち居振る舞いや言葉遣いも最後まできちんとされていて、こちらも身の引き締まる思いがしました。
宮澤先生、佐藤先生ありがとうございました。お疲れ様でした。(T・M)

戦前・戦後の木田との縁―田上義也あれこれ(3)

田上義也といえば――。

みなさん真っ先に思い出されるのが、「旧小熊邸」ではないでしょうか。

札幌・小熊邸
現在はもいわ山ロープウェイの乗り場近く、
札幌市中央区伏見5丁目に移築。
喫茶店「ろいず珈琲館 旧小熊邸」として人気のスポットです。


木田金次郎美術館が田上義也の展覧会を企画するきっかけとなったのは、
木田の人物交流「木田金次郎の交流圏」にて、田上が重要な位置にあるからですが、
その鍵となるのが、この家をめぐる縁の深さです。

この家は、1927(昭和2)年に、
北大教授・小熊捍(おぐま・まもる)の自宅として建てられます。
小熊は北大の絵画サークル「黒百合会」の創立会員。
しかも「黒百合会」の名付け親でもあります。

顧問である有島武郎の命名案「土香会」を破ってつけられた、
この会の名は、
当時北大構内に咲いていたクロユリの花に由来します。

黒百合会の創立は、1908(明治41)年。
ちょうど100年前の第三回展で、
木田は有島の描いた作品に惹かれ、
出会うことになります。
また、1919(大正8)年の第十二回展に、
木田の作品が出品されたという記録がありますから、
木田と小熊の接点は様々にあったと考えられます。

時は流れ、戦後、
小熊教授は北大から転出され、この家の主が変わります。
1951年(昭和26)年から、この家に住んだのが、

円山自宅の島本融
北海道銀行初代頭取の島本融。
背後に見える窓枠などの細部は、復原されて現在も見ることができます。

この家に島本が住んだことで、
戦時中、建築の世界から離れざるを得なかった田上も、
戦後建築界に復帰、
また、島本と木田との出会いにもつながるのでした。

札幌・南一条西20丁目にあったこの家。
熱心な市民運動の結果、現在地に移築復原され、喫茶店として親しまれています。

完成して終わりではないのが建築作品。
現在もなお様々な縁を生んでいます。

木田との深い縁によって、
岩内での今回の展示に結びついているのでした。


ほっかいどうアート探訪
道内の美術館学芸員が執筆している連載
『北海道新聞』「ほっかいどうアート探訪」にて拙稿が掲載されました
(2010年8月6日文化面)。「旧小熊邸」について紹介しています。


(学芸員 岡部 卓)

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2010特別展示
木田金次郎の交流圏
「田上義也―北方建築の種」展
11月7日(日)まで開催中
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トイレが使えない?

水道から水が出ない!断水なんてことが自分たちの町で起こるとは・・・思わず「異常気象か?地球滅亡か?」とつぶやいてしまったのは7月29日夕方のこと。
全道的に大雨警報が発令される中、町水道ダムの取水口が土砂でふさがれてしまったというではないですか~!ニュースでは耳にする「断水」という事態になるって言われても、この時点ではピンとこない私。だって美術館の水道からは水が出て、トイレも水が流れているのだもの。役場へ問い合わせてもらうと「それは水道管に残っている水なので、飲料水にはしないでください。」とのこと。(どうしよう~明日からトイレに行けない?)
「でも明日までに復旧するっしょ~」と希望的予想を持って家へ帰り、防災無線の情報に聞き耳を立てていると、予想に反して「復旧の見込みはたっていません。」のせつない言葉の響きが繰り返されるばかり。
翌日、早出清掃当番だった私は、とりあえず美術館の飲み水は確保せねば!と思い、バタバタと自宅の物置から入れ物(うっ、4リットル入れしかない)を探して井戸水を入れ、

断水

役場に寄って水パック(ひぇー重たい)をひとついただき、出勤したのでありました。
そしてティーラウンジでは海洋深層水と給水所から水をくみ、トイレは水道管の残り水が流れてくれて(ほっとしたー!)無事1日が過ぎたのです。「31日も復旧しなかったらどうしよう?」の心配をよそに、断水事件は2日間で終わってくれました。(S・T)

ちょっと早い芸術の秋堪能 1日目-直島-

少々長いお休みをいただき、旅に行ってきました。
行き先は四国・香川県の直島。同じ瀬戸内海に浮かぶ島で有名なのはやっぱり小豆島ですが、今回は泣く泣くスルーしました。

瀬戸内海に浮かぶ島々では10月まで「瀬戸内国際芸術祭2010」が開催中です。
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島民の方のお話によると、直島を含むこの島々は、20年かけて現代アートの島にしたそうです。本格的に発展しはじめたのはここ5年くらいだそう。島民の方々も一体となって、アートで島を盛り上げていっています。

2日間で3つの島を巡る旅をしました。駄文ではありますが、旅日記をお楽しみください。


◎1日目(9月3日(金))

さて、1日目。前日、東京駅から深夜バスに乗り込み、早朝岡山到着、宇野行きの電車へ乗車。1時間ほどで宇野へ到着。 快晴も快晴!雲一つありません。

宇野にて、二日間のフェリーのフリー切符と、芸術祭のパスポートを購入し、直島行きのフェリーに乗り込みます!

直島・宮浦港到着。

まず迎えてくれるのが草間彌生の赤カボチャ。
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フェリーからも見えていて超がつくほど大興奮!
直島では、レンタサイクルを借りて島を一周します。


まず向かったのが地中美術館。 美術館が地中にあるんです。高台から見ても美術館は見えません。外光を採り入れるための窓しか見えなくて、ちょっと不思議。建築家・安藤忠雄の設計です(直島にある3つの美術館はすべて安藤忠雄の設計です)。光・影・景色も含めて美術館全体が作品でした。初っぱなから圧倒されます。

ここで有名なのはモネの睡蓮。 睡蓮のためだけの部屋があります。 真っ白い四角形の部屋に、睡蓮が5枚。こんな大きな睡蓮をモネは描いてたんですね。
前日に東京で、ブリヂストン美術館にも行き、そこにもモネの睡蓮がありましたが、その比じゃないくらい。 (ブリヂストンもそりゃ素晴らしい作品ばかりでしたよ!)

恒久展示だから、モネが壁に埋め込まれています。
しかも、人数を制限して展示室に案内されるから、見やすいのなんの!! これは、他の展示室でもそうでした。

モネの他に、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルというアーティストの空間展示もありました。 どの部屋も異空間。 不思議な感覚になりました。

次は李禹煥(リーウーファン)美術館へ。
また自転車で移動します。美術館がどこにあるかわからず、少し迷いました。
石と鉄板をモチーフにした作品がたくさんありました。
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続いてベネッセハウスミュージアムへ。
ここは国内外の作家の作品を展示。
インスタレーションが多かったです。安田侃の作品に寝ころんできました。

ベネッセハウスミュージアムにはホテルもあって、宿泊者しか入れない所にも作品もあります。そこで宿泊者以外の人も見られる「光の棺」ツアーへ参加。
暗闇の中、ワールドトレードセンターや皇居の写真と、その下にぼんやりと浮かび上がる棺のなんとも幻想的な作品…。 目が変になりそうでした。

ツアーが終わった後、直島にもう一個ある草間彌生のカボチャへ。 今度のは黄色。
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3つの美術館をみたあとは、今度はまた自転車に乗り、直島の町中へ。
大竹伸朗の「はいしゃ」など見ました。 (「はいしゃ」は「歯医者」ではなく「廃舎」だそうです。)
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宮浦港へ戻り、直島は終了。
1日目終了!二日目に続く。
(G・I)

(敬称略しました。)

「開館前作品展」DATA完成

木田金次郎という画家を全く知らない私でしたが、開館時からボランティアをし、開館前に札幌で開催されたプレビューに参加した時、あまりのお客様の多さにびっくり、木田金次郎は知名度が高いのだと初めて知りました。
 その後、毎日のように美術館に通いボランティア仲間といろいろ話し合いました。監視はもちろんだが、何か自分たちですることがないかと。そこでとにかく記録をしておこうということになり、当時久米学芸員にいままでの作品展の資料をお借りしてノートに写して勉強しました。
 平成9年、ボランティアグループ「ポプラの会」が発足し、解説部を担当することになったので、ひたすらいろいろなデーターを集めました。その後解説部はなくなり、パソコンも導入されて開館後のデーターは美術館が整理したので、私は開館前の作品展を中心にCDにまとめることにしました。しかし、会の活動の中ではなかなか進まず15年が過ぎてしまいました。

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 思えば自分の勉強のためにした記録が美術館の役に立つということは本当にうれしく、あまり気負わずにコツコツ進めてきたことが、今まで続けて来られたのだと思います。一つの責任を終えた事で、また新たにこの活動を続けていく励みとなりました。(T・T)

追加開催します!「建築探訪バスツアー」

美術館講座の第3回として、
9月11日(土)に開催する「建築探訪バスツアー」
おかげさまで、参加ご希望の方が定員に達しましたので、
募集を締め切らせていただきました。

ただ、昨日(6日)の『北海道新聞』小樽後志版に、
このバスツアーの記事が掲載されましたので、
この記事をご覧になって、
今日(昨日は休館日でしたので)お電話を下さった方には、
ご参加をお断りしなければならず、
大変失礼いたしました。

そこで、急遽、追加開催することにいたしました!

「建築探訪バスツアー」(追加開催)
9月17日(金) 岩内発8:30
《主な訪問先》
小樽:坂牛邸(内部案内付き)
札幌:本郷新記念札幌彫刻美術館
    北一条教会
    旧小熊邸(喫茶付き)
 
   など

小樽・坂牛邸
小樽「坂牛邸」。「田上義也記念室」として公開されてます。
札幌・小熊邸
藻岩山麓に移築された「旧小熊邸」。喫茶店として人気のスポット。
今回のツアーでは、ここでコーヒーブレイクします。


このツアー、岩内発ですが、余市・小樽からもご参加いただけます

建築探訪の醍醐味は、
外観だけではなく、内部も入って見れること。
この機会に、美術鑑賞とはちょっと違った体験をしてみませんか。

事前にお申し込みが必要ですので、
ご参加申し込み、詳しいお問い合わせは、
当館(電話0135-63-2221)までどうぞ。
定員(30名)になり次第、応募を締め切らせていただきます。

(学芸員 岡部 卓)

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追加開催決定!
建築探訪バスツアー
9月17日(金) 岩内発8:30~岩内着18:00(予定)

交通費無料(岩内町福祉バスで行きます)。
観覧料等1500円程度かかります。
昼食は各自ご持参下さい。
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真夏の!ナイトオープン開催

8月21日(土)今年二回目のナイトオープン。

今回は共和町かかし祭と重なり、日程失敗(反省)夕方には小雨がパラパラ降るなか、第1部のギャラリートークが18時30分から始まりました。

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今回のテーマは木田金次郎の交流圏「田上義也北方建築の種」展の解説。
学芸員のトークが始まっている間に、スタッフは、19時からの第2部ナイトラウンジオープンの準備に取りかかります。

今回のフードメニューは、「炭焼き」イカ、茄子、ピーマン、南瓜、とうきび「もやしと揚げの煮びたし」「冷パスタ」「漬け物」「枝豆」です。お料理上手な館長は更にもう一品デザートに黄色のスイカを追加したかったようだが、今回は見送り・・・。
それぞれの担当に分かれ、調理開始!!

炭焼き班では、去年の炭を使用したためなかなか着火せず、スタッフ3人でうちわであおぐが悪天苦闘。そこで送風機が登場!!もっと早くに気づけば・・・(苦笑)これで火はバッチリ☆

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お盆前に仕入していた生イカをお酒と醤油で下味したのと、スタッフの家庭で採れた新鮮野菜を焼き焼き。館外は美味しいイカの香で食欲をそそった。イヒッ味見

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料理班では、温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たいうちに美味しく召し上がってほしいという気持ちで、ぎりぎりまで冷やしてから、ぎりぎりまで温めてから料理をテーブルに並べました。
一息ついて館内の様子を見ると、お客さんが楽しそうに歓談する姿が微笑ましく、片手に生ビールで話が弾んでいた様子で一夜を過ごしていました。

今回の参加者35名。ありがとうございました。
次回は2月19日(土)冬のナイトオープン雪に包まれた美術館をお楽しみ下さい。

☆おまけ☆
お客さんが帰った後、打ち上げを兼ねて、当日無事に?歳を迎えた職員のプチ誕生日会をスタッフ一同で開催。主役のT井さんはその日余ったビールを片手にすっかり出来上がっていました^^(I・Y)

新しいポストカードが完成しました。

ポストカードが3種類増えました。
今現在、販売しているのは全部で49種類です。

136岩内港1955
岩内港 1955年
活気のある岩内港の様子を描いた作品

飾り花瓶と花
飾り花瓶と花 1955年
色とりどりの花を生き生きと描いた作品

262 りんご園1958
りんご園 1958年
収穫間近のりんごがたわわに実ってる様子を描いた作品

いずれも岩内大火の後に描かれた、木田金次郎らしい力強い作品が
ポストカードになりました。

ちなみに 
  2009年度 ポストカード売上ベスト5は…
    第1位  バラ(絶筆) 1962年    
    第2位  あざみ    1954年
    第3位  そい      1953年    
    第4位  卓上苹果  1940年
    第5位  ポプラ    1924年 と、なっております。

美術館観覧後、ちょっと目に留めて頂ければ幸いです。

ポストカードの他にも画集や図録、書籍なども取り揃えております。
皆様のご来館を心よりお待ちしております。(T・M)

入選者決定!「平成の『生れ出づる悩み』コンテスト2010」

開拓の村・有島旧邸
100年前の1910(明治43)年11月、二人が出会った有島武郎の家
(北海道開拓の村に移築)


ちょうど100年前、自らの境遇・制作活動に悩む木田金次郎が、
偶然見つけた有島武郎の住まいに作品を抱えて訪れたことに始まる
二人の交流が小説『生れ出づる悩み』のモデルになった出来事に因み、
北海道で制作している若手美術家を募集する公募展、
「平成の『生れ出づる悩み』コンテスト2010」
(北海道開拓の村、木田金次郎美術館、北海道新聞社主催)
の入選者が決定しました。

応募いただいた皆さん、ありがとうございました。

(あいうえお順敬称略)

入選
石垣 渉(札幌市)
小林龍一(札幌市)
駒澤千波(札幌市)
櫻井 亮(夕張市)
佐々木彩(札幌市)
佐藤仁敬(札幌市)
新見亜矢子(札幌市)
向中野るみ子 (札幌市)
安田直子(滝川市)
安田祐子(函館市)

審査員特別枠
冨田直和(八雲町)

以上の入選者の作品は、有島と木田ゆかりの2会場、
北海道開拓の村
(会期:10月9日(土)~24日(日)
木田金次郎美術館
(会期:11月13日(土)~28日(日)

にて展示されます。

どんな作品に出会えるでしょうか。
いまから楽しみです。

(学芸員 岡部 卓)

安達牧場に向かう木田と有島
1922(大正11)年7月、有島武郎が岩内を初めて来訪。
安達牧場に向かう木田と有島



審査員
大下智一(北海道立函館美術館主任学芸員)、岡部卓(木田金次郎美術館学芸員)、久米淳之(北海道立近代美術館主任学芸員)、古道谷朝生(網走市立美術館学芸員)、細川健裕(北海道開拓の村学芸員)、三浦泰之(北海道開拓記念館学芸員)、宮井和美(北海道公園緑化協会(モエレ沼)学芸員)、山際晶子(北海道開拓記念館学芸員)

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平成の「生れ出づる悩み」コンテスト2010
展覧会 北海道開拓の村会場  10月9日(土)~24日(日)
    木田金次郎美術館会場 11月13日(土)~28日(日)

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2年前の鳥取への旅―田上義也あれこれ(2)

今から2年前の2008年7月下旬、
私は鳥取に行ってきたのでした。

鳥取砂丘
鳥取といえば「鳥取砂丘」。午後7時でも暑かった…。

神戸空港からレンタカーで中国山地を約3時間。
初めて訪れた鳥取は気温35℃!

ところで、なぜ鳥取を訪れたかというと、

鳥取県立図書館
「橋浦泰雄の遺したもの―鳥取の文学・民俗学の黎明―」

鳥取県立図書館の方から、この展覧会のお知らせをいただいたからです。

2007年に当館で開催した「橋浦泰雄―旅への導き」展。
実は、木田金次郎が橋浦泰雄に宛てた書簡類が、
橋浦家から寄贈され保管されているのが、
橋浦の故郷・鳥取の県立図書館。

お知らせいただいたのもご縁と思い、思い切って(自費で)鳥取へ行ってみたのでした。

この旅には、2005年に当館で講演いただいた、
斎藤弘美さん(フリーアナウンサー・民俗学地域史研究者)も東京からご一緒に。
斉藤さんの計らいで、鳥取の博物館・図書館の学芸員の皆さんとお話しすることができました。

橋浦泰雄が生まれた場所、鳥取市の隣町・岩美町岩本へも行ってきました。

鳥取県岩美町岩本
鳥取県岩美町岩本。車も通れない路地の街でした。

前置きが長くなりましたが、
この旅でコピーさせていただいた橋浦泰雄宛て木田金次郎書簡の一部を、
「田上義也―北方建築の種」展にて紹介しています。

橋浦泰雄宛て木田金次郎書簡
資料ケース下段の資料がそれ。

1925年1月と2月に、木田が橋浦泰雄に宛てているのは、
岩内の「白水会」が開催する「田上義也ヴァイオリン独奏会」の打ち合わせ。
演奏会の会場や、橋浦と田上が作った曲について、
当時札幌に滞在していた橋浦とやりとりしています。

書簡の詳細については、展覧会場でじっくりと。

旅での収穫が、2年越しに皆さんにお伝えできる、
とても嬉しい機会となりました。

資料調査、展示協力をいただいた鳥取県立図書館に、
心より感謝申し上げます。

(学芸員 岡部 卓)

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2010特別展示
木田金次郎の交流圏
「田上義也―北方建築の種」展
11月7日(日)まで開催中
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一枚の地図から―田上義也あれこれ(1)

もう9月だというのに、岩内も暑くてたまりません。
本州はもっと大変かと思いますが…。

さて、これから時々、特別展示に関する話題をお伝えしたいと思います。
木田金次郎の交流圏「田上義也―北方建築の種」展も会期折り返し。
第1回目は、地図の話。

橋浦泰雄が携帯した『北海道詳図』
橋浦泰雄が携帯した『北海道詳図』 1922年 札幌・富貴堂発行

展示室の冒頭に近いところに展示しているこの地図。
田上義也と木田金次郎の出会いのきっかけをつくった、
日本画家の橋浦泰雄が携帯していた北海道全図です。

2007年の特別展示でもお借りしたので、
ご覧になった方もいるかもしれません。

この地図を携えて、橋浦泰雄は道内各地を旅したのでした。
彼がたどったルートは、青鉛筆で線が引かれています。

この地図、詳しいの何のって…。地図好きにはたまらないですよ。
1922(大正11)年当時の北海道の様子もわかります。

何を隠そう、地図好きな私。
小さな集落の地名も詳しく、昔の地名も数多く載ってます。
鉄道の分布も面白いですね。
当時、すでに岩内や寿都には鉄道が通っていましたが…、
(マニアックなので中略)

さて、岩内附近は…

岩内附近
岩内は橋浦泰雄が最初に旅したところ(1923年11月)。

この時代に橋浦泰雄は積丹半島を一周している!
(なにせ自動車道路が全通したのが平成9年)
にわかに信じられませんが、
橋浦が描いたこの地の「絵たより」も展示していますから、
間違いありません。

この地図の青線のうち、
道北、道東の旅に、田上義也が同行していたのです。

これは根室付近。
根室付近
橋浦と田上が国後島に渡ったのは、1924年4月末から5月はじめ。


根室から国後島に渡った旅で、田上は「北方建築」を志すのです。

北海道の建築家・田上義也の出発点となった旅。
詳しくは、展覧会場でじっくりと。

(学芸員 岡部 卓)

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2010特別展示
木田金次郎の交流圏
「田上義也―北方建築の種」展
11月7日(日)まで開催中
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