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『ヲルガン』故郷に還る

3月も下旬、年度末ですね。
館の周辺の雪もすっかり融けてなくなりました。
このところの陽気で、お客様の出足も増えてきました。
「やっぱり木田金次郎!」の会期もあとわずかです。
まだご覧になっていない方、お見逃しなく。

さて、去年の夏から当館1階展示室の真ん中に、
お客さんがいたのをご存じでしたか?

organ


そう、「国産最古のリードオルガン」。
1905(明治38)年、横浜・西川オルガン製。

このオルガンは、町内の網元が購入し、
町内の寺院・帰厚院に寄進されたのち、
岩内町郷土館に寄贈されました。

2000(平成12)年に町民の皆さんの協賛により修復され、
音が出るようになりました。
その際、現存するリードオルガンでは、
国産最古のものであることが判明。
同年11月に、「ヲルガン修復1008人コンサート」として、
岩内地方文化センターで演奏・披露されました。

2004(平成16)年11月には、
木田金次郎美術館の開館10周年記念コンサートとして、
西村由紀江さんがこのオルガンを美術館で演奏しました。

西村さんは、「やっぱり木田金次郎!」に、
メッセージを寄せてくださっている、「岩内観光親善大使」でもある方。

そのオルガンが、昨年から郷土館の改修工事による休館のため、
美術館でお預かりして、ご覧いただいていたのです。

実際に誰でも演奏できるのが、このオルガンのいいところ。
ときおりお客様が演奏されていましたね。

さて、改修工事中の郷土館も、
今年の大型連休前にはリニューアルオープンする運びとなり、
本日(25日)、教育委員会の人たちで、郷土館に運び出されました。

木田金次郎とほぼ同世代のオルガン、
いなくなると、展示室がちょっと寂しくなったかな。

岩内町郷土館のリニューアルオープンで、
またお目にかかることができます。

このオルガンも、岩内の宝。
当館ともども、岩内にお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。

《岩内町郷土館》
岩内町字清住5-3 (美術館から徒歩15分)
リニューアルオープン: 4月26日(土)の予定(変更する場合もあります)

(学芸員 岡部 卓)
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ここでも会える木田作品 [札幌・北海道立文学館]

3月もはや中盤、岩内の雪もかなり融けてきました。
日も長くなって、春はすぐそこまでという感じですね。

あ、いえいえ、
こんなに積もっているわけではありませんよ~!

yukiwari


晴天の日曜、明日の休館日にあわせて、
美術振興協会の森さんが、美術館前庭の雪割をしてくれました。
明日も天気なら、かなり融けそうです。


さて、今日は岩内をちょっと離れて、ほかの館の展覧会をご紹介します。


山田昭夫の書斎展



札幌・中島公園にある、北海道立文学館で、
現在、企画展「探求者の魂 山田昭夫の書斎から」が開催されています。

有島武郎研究者として知られている文芸評論家、山田昭夫(1928-2004)が遺した資料から、
山田の研究の足跡をたどる展覧会です。

このなかに、山田が所蔵していた木田金次郎の色紙が紹介されています。
木田についても記述した、『木田金次郎』(1972・HTBまめほん)、
『有島武郎の世界』(1978・北海道新聞社)などの著作もある、
山田昭夫の姿勢がしのばれる作品です。

展示されている資料には、木田や岩内に関するノートなどもあり、興味は尽きません。

3月23日(日)まで。

mamehon
これは山田昭夫『木田金次郎』(1972・HTBまめほん)。

《 企画展「探求者の魂 山田昭夫の書斎から」 》
北海道立文学館
(札幌市中央区中島公園)

(学芸員 岡部 卓)





鑑賞スケッチノートより

感想・声・ご意見
○2008/1/11  苫小牧市  T.T様
絶筆はいつも素晴らしい。外は寒いがこの絵はあたたかい。又来ます。
○2008/2/1  春日部市  T.K様
雪の中来た甲斐がありました。力強い作品に感動しました。バラの花、素晴らしかった。
○2008/2/1  春日部市  R.K様
ふとしたキッカケで知りました。岩内の寒さ、荒々しさが肌に伝わる作品ばかりです。そして作者の暖かさが・・・。
○2008/2/1  蘭越町  M.K様
とてもすてきな絵がたくさんありました。その中でも1960年の「バラ」が一番好きです。またいつか見学に来たいと思います。
○2008/2/2  横浜市  S.K様
昨年TVの特集を見てから是非岩内を訪れ、この目で木田さんの作品をたくさん見せて頂きたい! と思っておりました。念願叶って幸せです~☆ 作品を見てもっともっと幸せな気分です。“もっと良くなる!”と自分にも言い聞かせました。
○2008/2/9  札幌市  K.M様 Y.M様
一度拝観した遠い昔を思い出し、今日再び訪れて画風の素晴らしさを再確認した次第です。当岩内町の貴重な財産、より多くの人々の視線に触れて頂きたいと思いました。当町、当館の更なるご発展を心からお祈り申し上げます。
○2008/2/9  小樽市  K.Y様
ダイナミックな筆使いから想像できない程の繊細さを感じる作風だと感じます。作者のやさしさ、気さくな所に心打たれます。絶品となった作品に込めた心情を思うと、人に対するやさしさや思いは幾年になっても素晴らしく美しいものだと感激しました。
○2008/2/11  佐倉市  K.K様
岩内の自然と生涯向き合った一人の男の作品に感動しました。また、向上心を持ち続けることの大切さを教えられました。
○2008/2/17  仙台市  K.T様
去年の秋初めてここを訪れるまで名前も知りませんでした。彼が有島武郎の小説のモデルであったこともはじめて知りました。彼の絵の荒々しい迫力に圧倒されました。岩内にとどまり絵を描き続けた彼は岩内の誇りであると思います。又来ようと思います。
(T.T)

ボランティア日誌

Volunteer Diary
20.1.31
子ども展作品展示の手伝い、午前中で終わる。私はいつものように午後来たらびっくりした。ボランティアは5名。全作品の半分程度の展示に落ち着いたそうだ。(O.Y)
20.2.1
一週間程前、余市の知人から一寸した荷が届き、その中に木田の一筆箋が添えられていました。送られたものを見るのは初めて。なかなかいいなあと思いました。時々贈り物に使っているのでうれしくなりました。今年の子ども展の木田金次郎賞は「おやっ!」と少し驚きました。(S.M)
20.2.3
子ども展を見た。一枚一枚を見るより全体まとめて見ると何か輝かしいイメージに包み込まれるようだ。親子連れが数組、母親がわが子に「この白いラインを越えたらだめなんだよ」と教えている。(O.Y)
20.2.9
ある男性がラインの中に入ろうとしている。職員の佐藤さんが繰り返し注意してもあまり効き目がない。どうもいくらかはご機嫌のようだった。子ども展をまた見る。一番高い所の絵はさすがに見づらい。一工夫いるなと感じた。(O.Y)
20.2.16
猛吹雪の中、館にたどり着く。「よく来たね」と職員の吉田さん。まったくクレージーな天候だ。受付のカウンター脇に小さな内裏雛が一対、春はすぐそこまで来ている。(O.Y)
20.2.20
昆布温泉のボイラーマン、木田の絵が好きで年2回は来るそうだ。監視に入った杉山さんに「あんたも退屈なら本でも読んだら」とか「経費がかかるなら冬は休んで春にまた開けば」とか気配りの言葉があったそうだ。きだび後の図書を整理、並び替えた。(O.Y)
20.2.22
昨夜、広報誌「群暉」「どんざ丸」合算100号を祝う会。ポプラ7名を含め編集関係者十数名でささやかながら一席を設けた。学芸員の岡部さんが「職員だけでなく美振協、ボランティアも入って発行する取組みは全国的に稀有だ」とのスピーチをしたが、小なるがゆえに案外時代の先端を走っているのかもしれない。(O.Y)

*2月 ポプラの会活動*
7日 発信班会議 森嶋、佐藤、森、岡部り、高橋、大森 ブログ翌日から順次更新
8日 群暉50号発行
11日 レシート・キャンペーン402.618円 累計4.132.687円
19日 子ども展撤収作業 三浦、森田、大森協力
22日 群暉、どんざ丸発行100号ご苦労さんの会 主に編集に携わった部員、職員主体

町の商店街でひな人形飾り

ohinasama.jpg
 桃の節句が近づいても、遅くに降った雪のせいで周りは冬景色のまま。2月末仕事のため銀行をまわっていたら、名店街のショーウィンドウがとても華やいで見えたのです。接近してみたら緋毛氈にひな人形が並んでいる。隣の店も、その隣も・・・・。風は冷たいのに一気に気分は春めいてきました。
 名店街では一斉にひな飾りをして「名店街ひな祭り」をしていたのです。女性でひな祭りが嫌いな人はいないと思うのですが、それぞれの家庭で大切に仕舞っていたひな人形を見比べることの楽しさは日本人に特有かもしれません。古いものは半世紀を超すとも聞きました。ひな人形にまつわる話を行きずりの人としながら、どのおひな様が好きか、なんて言いつつ平和で穏やかな気持ちを分け合えたなと感じています。
 今年40店舗以上がひな人形の展示をしてくれました。3月4日過ぎにはやはりどの店も片づけられていたのです。すべてを見て歩くことができなかったので、来年もこうしてショーウィンドウに飾ってほしいなと心からお願いします。(S.K)

岩内高校美術部OB・OG「第8回 仲間たち展」

仲間たち展ポスター


3月に入っても、岩内はまだ雪が降っています。

3月恒例となった「仲間たち展」の展示作業が、1日行われました。
今回は16名の岩内高校美術部OB・OGのみなさんが、31点の作品を出品。
加えて、現在の美術部顧問・福田好孝先生も出品されています。

今回の「仲間たち」も多彩な顔ぶれ。

昭和41年卒業のデザイナー・長野保夫さん
  (東京在住・当館の夏のワークショップの講師でもありました)、
昭和42年卒業のイラストレーター・藤倉英幸さん
  (札幌在住・JR北海道の車内誌の表紙などでおなじみ)の世代から、

平成19年卒業の品田ちよみさん
  (昨年卒業記念展での牛の絵で話題に)の世代まで、
油彩、水彩、デザイン、ネイルアート、ペーパークラフト、レリーフなど、
多彩な作品が展示室に広がっています。

08「仲間たち展」展示風景


長い歴史と、優れた制作者を数多く生み出してきた岩内高校美術部。
今も制作に携わっている方と、久しぶりに絵筆を取った方が、仲良く並んでいるのも、
この展覧会の素晴らしいところです。

地方の力、万歳!
岩内ってすごい所ですよ。みなさん。

08の「仲間たち」


お忙しい中、展示作業を担ってくださったのは(写真左から)、

この展覧会の最初から、「仲間たち」のとりまとめ役をされている、
新見亜矢子さん(平成9年卒業・札幌在住)。
新見さんは、5日(水)から札幌市民ギャラリーで開催される、
「札幌美術展2008 美術で綴る札幌の歩み」にも作品を出品されます。

そして、50代のみなさんの参加のきっかけを作ってくださった、
二階堂哲可(のりよし)さん(昭和43年卒業・札幌在住)。
お仕事をリタイア後、岩内や当館をよく訪ねてくださっている方です。

そして、高校の卒業式の後、会場へ駆けつけてくださった、
現在の顧問・福田好孝先生。
福田先生は、今年度の「文部大臣優秀教員表彰」を受賞された、
生徒にも地域にも信頼の篤い先生です。おめでとうございます!

展示されたお三方、そして作品をお寄せいただいたみなさん、
ありがとうございました。

会期は4日(火)からとしておりましたが、
2日(日)から展示をご覧いただけます。

「絵画による同窓会」。ぜひ、足をお運びください。


《岩内高校美術部OB・OG「第8回 仲間たち展」》

3月2日(日)~9日(日) ※(最終日は16:00まで)
木田金次郎美術館 展示室4
入場無料


(学芸員 岡部 卓)





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