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東京発「岩内・木田美ツアー」が実現しました

当館会報『群暉(くき)』秋号(57号)では、お伝えしましたが、
東京発「岩内・木田美ツアー」の第1弾がついに実現しました。

このツアーは、岩内観光親善大使の斎藤弘美さん(東京在住)と、
「まだ岩内や木田美を知らない方に、ぜひ知ってもらう機会を」と、
数年来構想を練っていたことが、
東京の旅行会社さんなどの協力を得て、実現したものです。

8月21日(金)、東京から小樽駅に到着したのは、
絵画サークルのお仲間7名様。
2泊3日の行程です。

学芸員の運転で、一路、岩内へ。

岩内・木田美ツアー@ナイトオープン
この日は「夏のナイトオープン」。じっくりご覧いただき、なおかつ賑やかなひとときを。

今回お越しの皆さんのグループは、
指導者の先生が熱心な木田ファン。
画集を見ながら、皆さん木田にあこがれを。

でも、岩内は「一生来れない遠い所」と思ってらしたとか。
このグループのお一人が、
岩内観光親善大使の斎藤弘美さんとお友達だったことから、
ぐっと岩内が身近になったのでした。

岩内・木田美ツアー@モイワ
翌22日は「木田金次郎の千石場所」を巡る。木田が描いたモイワの前で。

岩内・木田美ツアー@島武意海岸
さらに積丹半島を一周。積丹岬の島武意(しまむい)海岸にて。

今回はレンタカーで廻りましたが、皆さん大感激。
お天気にも恵まれ、いい旅になりました。

皆さん、
「夢にまで見た木田作品と対面できて感激」、
「岩内が身近になりました」など、
嬉しい声をいただきました。

このように、「木田美に行きたいけど、遠くて…」と思ってらっしゃる方。
旅のご相談をお受けいたしますので、
どうぞ当館までご連絡下さい。

(学芸員 岡部 卓)

木田金次郎の本棚(12) 『カラー版 日本美術史』

木田金次郎の本棚
nihon-bijutsushi
辻惟雄監修『カラー版 日本美術史』

北海道美術史の本に続いてご紹介するのは、
日本美術史を概説したこの本。

オールカラー本文184ページの本書は、
縄文時代から現代美術までを扱った、
日本美術を通覧するテキストとして、
大学の美術史の講義などでも使われているようです。

この中に、木田金次郎の記述と作品が!

これもひとつの「事件」といえましょう。

登場するのは第10章「現代」。第2節の「前衛の時代」の中で、
日本画の横山操に続いて、木田金次郎の名が登場するのです。

この章の筆者は、当時成城大学教授の田中日佐夫氏。
田中氏は、1979年に札幌・北海道立近代美術館で、
偶然「木田金次郎展」を眼にし、木田の作品に強く惹かれたといいます。
そして、日本美術史の中で、
「中央に偏向する美術界において、その批判的存在としても無視すべきではない」
と木田を取り上げているのです。

同時に中央から遠く離れた北海道で活動する作家として、
神田日勝と砂沢ビッキの名を挙げています。

7月に行った「美術館講座2009」の第2回「木田金次郎と日本美術史」では、
この本に木田が掲載されていることから、話をすすめました。

ほんの数行の記述ではありますが、
中央からのみ記述される美術史を批判的にとらえる試みとして、
本書は重要な役割を果たしているといえましょう。

日本美術史・木田金次郎図版
木田金次郎「茶津の断崖」1954年(北海道立近代美術館蔵)の図版が掲載されています。

(学芸員 岡部 卓)


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 『カラー版 日本美術史』 
 辻惟雄監修 「近代・現代」:田中日佐夫執筆 美術出版社
 1991年10月発行
 
 この本は、当館展示室4で開催する「木田金次郎の本棚」
 [会期:12月19日(土)~2010年1月17日(日)]でご紹介する予定です。


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「やっぱり木田金次郎!」 西村由紀江さんが来館されました

開催中の秋から冬を迎える常設展「やっぱり木田金次郎!」は、
5人の木田ファンの方からのメッセージを紹介しています。
この中のお一人のメッセージの一節を、
展覧会のポスターでも紹介しています。
すでにご覧になった方もいらっしゃると思います。

岩内の町、そして木田金次郎の作品は、
私の背中を、「頑張れよ」と、
そっと押してくれる大切な存在です。
                       西村由紀江

作曲家・ピアニストとして、
全国各地で活躍されている西村由紀江さん。
岩内に住む私たちにとって、とても嬉しいメッセージを頂きました。

そんな西村さんは、ちょっと前の事になりますが、
10月22日から24日にかけて、
岩内協会病院や、
神恵内村でのコンサートが企画されて当地を訪れていたんです。
この時に当館にも立ち寄り、
開催中の特別展示を見ていただきました。
3年前の「開館10周年記念」コンサートで演奏した、
国産最古のリードオルガン(岩内町郷土館所蔵)にも展示室で再会。

岩内とのご縁がますます深まり、
木田美術館をあたたかく見守っている西村さん。
彼女の人柄がにじみでているメッセージとともに、
どうぞ木田作品をご覧下さい。

西村さんの岩内訪問は、西村さんのサイトでも紹介されています。


また、西村さん初のエッセイ集『あなたが輝くとき』
(成美堂出版、2007年9月刊)も、
当館で発売中(税込590円)。
西村さんのサイン入りです!
ご来館の際にはぜひお求めを!

(学芸員 岡部 卓)

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