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これが日本画なの?

一見してこれは何の絵画展なのかな?と頭をひねってしまう多様さだった。
場所は俱知安町小川原脩記念美術館。雪の中で林が美しく冴え冴えとしていて、中に入ると度肝を抜かれた。
『鼓動する日本画CONNECT-MOVE』、表現様式の違いだけでなく、見ていると眼と心がぐっとつかまれてしまった。

中村あや子作「宇佐儀洛中図」高さ192センチ幅546センチの屏風絵に目が行く。生成りの下地に紺と赤で平安時代から現代までのイベントが、ウサギを擬人化して展開している。青海波模様の河あり、お化け屋敷ありと内容も盛りだくさん。

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紅露はるか作「つづいてゆく風景」景色が連続くしていくようで、アニメを切り取ったような場面がそそとした表現ながら、線や面の持つ面白さを巧みにアレンジしている。ろうそくや円錐形テントなどの小道具の使い方も詩情豊かだ。

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平向功一作「流氓」木材と鉄を使い、岩絵の具とアクリル絵の具を塗って、戦車と旅館の建物を合体させたような立体が異次元空間を作り出す。「千と千尋の神隠し」を想起させる窓の作りがどこか懐かしい。

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阿部啓明作「ユーコさんの世界」段ボールの平面上に「ユーコさん」の生態が躍動感あふれるイラストで埋めつくされている。蛇の抜け殻と昆虫、小動物を描いた作品もとても面白い。

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これだけ多様な作品が一堂にそろうのはとても楽しく、心の洗濯ができたようで見た後に重い疲労感がすっと抜けてゆく。2年後の次回も期待したい。(S,S)
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なんとも ほっこり

北海道新聞に掲載されていた『宮竹真澄・創作人形展』の写真に心奪われ江別市セラミックアートセンターへ行ってきました。
会場にはのどかな昭和の情景が広がっていました。

照井1

お祭りや井戸端の風景、鼻水を垂らしたわんぱく小僧、畑仕事をするお母さん、おんぶひもで背負われた赤ん坊…一つ一つ丁寧に作られた人形たちの世界へあっという間に引き込まれ、風や匂いまでもが感じられるようでした。
一緒に行った母が隣り合わせた見知らぬご婦人と「いや~懐かしいね」「私たちの頃はこうだったよね」と顔を見あわせて笑い、ほほえましい姿がそこかしこにありました。

照井2

「なしたの…」と語りかけてくるおばぁちゃんの人形に見入っていると「えらかった。えらかったな。」と頭をなでられたようなあったか~い気持ちになりました。
ばぁちゃんに会いたいなぁ~。(T・M)

ウィーン・モダン  クリムト、シーレ世紀末への道   2019.8.27~12.8 国立国際美術館

今年の北海道は9月でも30度超える残暑の日があり、すっかりのびてしまいました。
暑さが苦手で真夏に関西旅行は決していかないとの方針を破り、この展覧会が見たくて大阪に旅してきました。

日暮れの夜間開館をねらい、金曜日は21時まで開館してるので18時過ぎに会場に着くと、混雑もなくゆっくり鑑賞することができました。夏の夜は長いので、このような時間に美術鑑賞ができることは、人生の楽しみ方が豊だなと大阪の蒸し暑さを忘れました。

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クリムトの傑作と言われる<エミーリエ・フレーゲの肖像>、人だかりもなく好きなだけこの作品の前にたたずみ鑑賞できました。
絵を見てると、二〇代後半の私はクリムト作品がみたいと衝動が湧き、一人旅でオーストリアを目指したことを沸々と思い出しました。

この企画ではウィーン分離派、ウィーン工房の絵画以外の作品も多数展示され世紀末美術の流れを振り返ることができ、300点ほどの作品は圧巻でした。特にウィーン分離派展のポスターは斬新モダンなデザインばかり、時代を10歩先を行く感性で活動していた気がします。
ウィーンを再訪し、ウィーン・ミュージァムや建築物をまた見て回りたいと願っています。(S.K)

藤倉はり絵と斉藤清の木版画は心にしみる

8月末にニセコの有島記念館で『夏の藤倉英幸展Part2』を見た。
以前から見たかった斎藤清の木版画も展示されているということで、足を運んだ。

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斎藤清は福島県生まれで、北海道に移住し小樽や札幌で薬局や看板店などの職に就き、のちに小樽で看板店を経営した。24歳で上京し独学で油絵を学び、29歳で安井曾太郎の木版画に触発され初めて木版画を制作する。戦後彼の作品が海外で高い評価を得て、それが日本の現代版画を世界へ知らしめることにつながった。1997年に亡くなる。文化功労章を受けた。福島県に「やないづ町立斎藤清美術館」がある。

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一度福島の美術館を訪ねてみたいと思っていたが、仕事が忙しくなかなか行けなかったのでその作品に出合えて感動した。木の目を生かした画面構成と、マティスを彷彿とさせるフォルム、そして雪国の冬景色のリアルなこと。2人の作品を見比べて、藤倉英幸の作品が確かに斎藤清の感化を受けているのがわかってうなってしまった。雪景色の表現がとても似ていてそのうえ洗練されている。すごく納得した。

藤倉の作品は近景と中景の組み合わせが、特に巧みだ。ニセコ駅の作品は素晴らしい。雪景色も北海道の冬を余すことなく表現している。有島記念館でいつも藤倉の作品と対峙できるのは、ファンにとってはありがたい。(S,S)


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しりべしミュージアムロード共同展 開催中
2019年7月13日(土)~9月23日(月)

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「相原求一郎の軌跡」を見て

先月北海道近代美術館で相原求一郎展を見た。
以前中札内美術村で彼の作品を観たときに、その絵の雄大さに強く惹かれたからだ。

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30歳代の簡略化されたキュビスムの傾向の強い「線路のある風景」はピカソの青の時代を思わせる色使いが美しい。年齢がいくにつれて少しづつ、北海道の風景を題材にした絵が多くなる。若いときに満州に兵隊でいったときの、広大な厳しい自然を見て感化を受けた体験がそこにある。どの絵も明るい純度の高い色相を避けて、モノクロームに近い色合に収束して行く。秋の錦織なす景色の鮮やかな色でさえ、相原にとっては無用の長物なのだ。まさに徹底している。
相原の晩年の「北の十名山」シリーズは、絵の構図を再構築したりして彼独自の北海道の山々を創り上げることに成功している。

以前後志で北海道近代美術館の巡回展をやったときに、中学生を引率して鑑賞した事がある。後日アンケートを採ったところ、相原の禁欲的な冬の風景画が多くの票を獲得していた。彼の自然との真摯な向き合い方が中学生の心をつかんだのだろうか。(S,S)
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